シックハウスとは
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私たちがどのような栄養素を摂取するよりも絶対的に必要なものは、呼吸(皮膚呼吸を含む)によって取り込む空気であることを認識する必要性があります。人は呼吸をやめると、数分で死を迎えます。必要不可欠な空気が汚染されるということは、生態システムに悪影響が現れることです。
新築・改築後の建物に住み始めた人々が、突然、さまざまな体調不良を感じて発病することから、「シックハウス症候群」と呼ばれている病があります。症状は人により異なり、全身に多種多様な現れ方をします。
短期的な症状もあれば、長期的に持病となってしまうのもあります。また、今日まで原因不明とされてきた病の中で、新築・改築後の建物に住むようになってから発症したという人が多く報告され、建物が原因であることがわかったものもあります。それらは大抵、初期のうちは建物が原因と気づかない程度の症状であることが多いのです。
一方、「化学物質過敏症」という呼び名で診断される病があります。短期的に大量の化学物質の存在する空間で急性中毒症状が現れ、その後に発病するものです。毒性の高い“ハチ刺され”と同じように、同種の化学物質と接触して刺激を感じる度に症状が再発し、場合によっては症状が治まらなくなることもあります。
ある建物内にいるときだけに症状が現れる場合は、その建物が化学物質に汚染されている空間として「シックハウス」と呼ばれますが、他の条件下で同様の刺激を受けることで症状が再発すれば、それは「化学物質過敏症」ということになります。事実、研究者の報告によると、化学物質過敏症患者の約60%はシックハウスが原因とされています。
「シックハウス症候群」の怖さは、日常生活の中で、危険だとは感じられない微量な化学物質に継続的にさらされることで発症し、気づかぬうちに症状がどんどん悪化していくことにあります。
ただでさえストレス社会に生きる私たちです。多忙が原因の体調不良と考えているうちに、症状が悪化してしまったとの報告も良く聞かれています。
シックハウスの発生原因
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では、シックハウスの原因の代表とされ、改正基準法で唯一規制対象となったホルムアルデヒドとはどのような物質なのでしょうか。
有機化合物であるホルムアルデヒドは、人の粘膜に対して非常に刺激性があり、発ガン性のある物質とされています。とはいっても、微量ながらも人の皮膚呼吸や植物の光合成からも放出されている物質です。つまり、ホルムアルデヒドが有害とされるのは、ある空間に一定量以上が含まれることで私たちの健康的な暮らしに悪影響を及ぼしている状況下での話です。たとえわずかであっても住環境に存在することは許されないといった物質では決してありません。
このことを押さえたうえで、シックハウスの二大発生原因を考えてみましょう。
第一の発生原因は、化学物質の多用です。
古来の建材には使われていなかった人工合成化学物質が、新建材に多く使用されています。
木材保存剤・可塑剤・架橋剤・防虫防蟻剤など、製品の統一化と多量生産工程において、耐久性・施工性・意匠性を要求されることにより、その品質の安定性確保から使用され続けてきたものです。現在、これらの化学合成剤はすべて、量生産には不可欠なものになっています。
気温や気圧の変化によって建材が膨潤〜乾燥を繰り返すと、これらの化学物質が放散されます。また、紫外線や電位差などの外的ストレスによる建材類の劣化(酸化)現象からもVOC類が放散されます。
第二の発生原因は、各建物の気密性が高まったことです。
省エネルギー対策やライフスタイルの変化により、冷暖房効率の向上を考えて、建物が高気密化されてきました。
昔のように土壁を補修しながら建物を使い、夏は暑くて冬は寒いという生活に戻れば問題は解決します。しかし、利便性を求めて繁栄してきた現代社会においては、住環境をとるか利便性をとるかは難しい選択だという人々も多いことでしょう。化学物質の利便性が私たちを豊かにしてくれたこともまたひとつの事実です。
発生後の対策として推奨されていること
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化学合成された人工物は、生体には異物ととらえられます。それらが、粘膜細胞に付着し、血液やリンパ液中を運搬されることで、人の生体システムを狂わせることになっています。
大量の化学合成物による脅威に対し、一般的に推奨されている対策には以下のものがあります。
- 室内空気の質を改善する。
- 換気を効率よく行ない、汚染物質を排出させる。
- 汚染物質の吸着効果のあるものを室内に設置する。
- 空気清浄機を設置し、室内空気質を改善させる。
- 発生源である建材を処理することでVOC放出を抑制する。
- 汚染物質の吸着効果のある物質を建材表面に吸着させ放散を抑制する。
- 建材から放出される有害物質を分解し、無害化させ放散させる。
しかしながらオーブス社は、最も効果が期待できるVOC対策として考慮すべき点を次のように指摘しました。
- 強制換気では不十分、かつ無駄な電気を使い、省エネルギーに貢献しない
- 吸着には量的に限界がある
- 表面をふさいではいけない
(内部崩壊が進み、表面塗膜が崩れ出すとVOCが大量発生!)
- 二次汚染が考えられる(二次的にVOC類を放散する)対策剤は不可
- 建材の素性そのものは変えない
- すべての建材類に有効である
- シックハウス症候群の原因解明と、空気質改善のための施策は一緒に取り組むべき
- 生態系への影響も考えるべき