「酢は体にいい」と言われるのはなぜ?~お酢の効果・効能~

お酢の歴史や健康効果、「食べる」以外の用途、選ぶ時のポイントをまとめました

酢の健康効果

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酢の起源は非常に古く、最古の発酵調味料ともいわれています。
日本の代表的な調味料であり、
料理の味付けの基本の「さしすせそ」のひとつでもある「酢」。

今やどの家庭にも1本はあると言っても過言ではありません。
「酢は体にいい」と広く知られているとおり、酢は単なる調味料の枠を超えて
さまざまな健康効果が期待できます。
健康のために積極的に摂りたい「酢」について、気になることをいろいろ調べてみました。

酢のお話~基礎知識~

一般的に「酢」とは、酢酸を含むすっぱい液体調味料のことを指します。原料によってたくさんの種類の酢があり、調味料として用いるのが一般的ですが、昔から体に良いと言われており、健康のために飲用している人もいます。

「酢」を英語にすると「VINEGAR(ヴィネガー)」。 VINEGARの語源は、フランス語の「vinaigre(ビネーグル)」で、これはvin(ワイン)とaigre(酸っぱい)を合成した言葉です。 つまり「すっぱいワイン」。お酒がすっぱくなったものが「酢」ということなんですね。
漢字を見ても、「酢」と「酒」は同じ部首であるように、関連性が深いことが窺えます。

酢の歴史

人間が作った調味料の中で、酢は最古のものであると言われています。蓄えていた果物が自然にアルコール発酵し、そこに菌が働いて酢が誕生したと考えられています。 酢の起源は非常に古く、旧約聖書にも飲み物として登場しています。 文献上では、紀元前5000年頃のバビロニアに記録が残っており、紀元前4000年頃にはワインやビールから酢を造ってピクルスを漬けていたそう。

古代ローマでは、酢を水で割った清涼飲料水「ポスカ」というものが飲まれていたり、ギリシャでは医学者であるヒポクラテスが、病み上がりの患者に酢をすすめていたり、中国でも周の時代には漢方薬として重宝されていました。 15世紀~17世紀前半頃の大航海時代には、ビタミンCの欠乏によって起こる壊血病の予防のために、酢にスパイスや野菜を漬けることが盛んになったと言われています。

中世フランスでは、黒死病が蔓延した頃、4人の泥棒が酢にハーブやスパイスを入れたものを愛飲することで病に感染することなく暗躍していたという伝説が残っています。捕らえられた泥棒たちが減刑と引き換えに明け渡した秘密のレシピはフランスの公式な薬局方であるCODEXに登録されています。

日本には4~5世紀の応神天皇の頃中国から伝わり、和泉の国(現在の大阪府南部)で造られるようになったのがはじまりとされています。 奈良時代には上流階級の間で高級調味料として用いられるようになりました。

万葉集16巻に「醤(ひしほ)酢にひるつきかてて鯛願ふ・・・」という歌があります。これは「酢醤油でさっぱりと鯛でも食べたいなあ」という歌です。宮中の晩餐会では四種器と称する調味料(醤、酒、酢、塩)を入れた器が料理に添えられていたそうです。「養老律令」には、造酒司(ざけのつかさ)が、酒とともに酢も造っていたということが記されています。

江戸時代になると、お酢が味噌・醤油とともに庶民まで普及し、飯にお酢を混ぜて作る「押しずし」などが広まりました。1800年代には酒粕を寝かせて作った「粕酢」というものが握りずしに使われるようになり、江戸前ずしにはなくてはならないものになっていきました。今でも江戸前ずしのお店では赤酢(粕酢)が使われていることが多いようです。

酢はどうやって造られるの?

酢の主原料となるのは、米や麦などの穀物や、りんごやぶどうなどの果実が一般的です。 酢は、これらの主原料をアルコール発酵させる工程と、酢酸発酵させる工程から成り立っています。 この工程の後、熟成期間が設けられます。熟成期間は早ければ数ヶ月、長いと数年もの間寝かせることもあります。長い年月熟成すると、非常に濃厚で芳醇な味わいの酢が出来上がります。 特にぶどうが原料のバルサミコ酢などでは20数年熟成させたりなど、まるでワインのように貴重なものとなっています。

伝統的な米酢の作業工程

1 精米~米を蒸す

この精米の時点で味や香りに差が生まれるそうで、各社が念入りに工夫している部分だそう。精米後は洗って水に浸し、長時間蒸します。

2 麹づくり

米が蒸し上がったら冷まして麹菌をまぶします。室温と湿度を一定に保った麹室で、固まった米粒に何度も手を入れてほぐしてやりながら、糖化力とたんぱく分解力の強い麹を作ります。非常に重要な工程です。

3 酒母(しゅぼ)を仕込む

小さなタンクに水と冷ました麹を入れて、酒造用の酵母を加えます。ここに蒸した米を入れて攪拌すると仕込みは終了。この後は約2週間ほど、複雑で細かい温度管理をしながら酵母を増殖させます。酒造用?と思われる方も多いと思いますが、酢づくりは半分は酒づくりなんですね。

4 醪(もろみ)(酒)づくり

酒母ができたら大きなタンクに移し替えて、もろみ(酒)の仕込みをします。 水、麹、蒸し米の順に入れますが、ここで一度に入れてしまうと酵母の濃度が薄まって醗酵力が弱まったり、雑菌の繁殖にもつながるので、3回に分けて入れます。

これがよく日本酒の製造で耳にする「三段仕込み」です。 投入後2日後にはパシャパシャと音を立てて発酵が始まり、約30日かけてもろみができあがります。 杜氏はこの間、発酵の具合を確かめながら、櫂を入れるなど1日中つきっきりで世話をします。

この時発酵タンクの中では、麹が米のデンプンを糖化し、酵母がその糖分をアルコールにするという現象が起こっています。 こうしてできあがったもろみ(酒)は、「酢もともろみ」と呼ばれます。

5 仕込み~発酵

さて、ようやく酢の仕込みです。 タンクに、酢もともろみと水、そして「種酢」と呼ばれるお酢を入れます。 この「種酢」は、代々受け継がれてきた、そのメーカーの味の要となる重要なもの。 酢酸菌は空気を好むため、液体の表面だけで働きます。酢酸菌も、蔵に120年住みついていたりなど、 出来上がる酢の個性を生み出します。

ちなみに、酢酸菌は英語でVineger Mother(ヴィネガー・マザー)とも呼ばれるそう。「酢のお母さん」なんですね。 発酵は、1ヶ月というところから4ヶ月以上かける製造所もあり、その期間はいろいろですが、ゆっくりと時間と手間をかけることで酢酸と水が調和し、まろやかで旨みの多いお酢を造ることができるそうです。

6 熟成

発酵が終わったら、ゆっくりと時間をかけて熟成します。タンクからタンクへ何度も移し替えて空気に触れさせてやることで、よりまろやかな風味に仕上がります。 このあと、さらに発酵してしまうことを防ぐために火入れし、ろ過します。

酢の種類

酢は、様々な原材料から造られています。日本農林規格(JAS規格)による食酢の分類は以下のようになっています。

食酢
醸造酢 合成酢
穀類、果実、アルコールを原料としたものを酢酸発酵させた液体調味料であって、かつ、氷酢酸及び酢酸を使用していないもの 氷酢酸または酢酸の希釈液に砂糖類、酸味料、調味料、食塩等を加えたもの及びこれらに醸造酢を加えたもの
穀物酢 果実酢
醸造酢のうち、1種または2種以上の穀類を使用したもので、その使用総量が醸造酢1Lにつき40g以上のもの 醸造酢のうち、1種類または2種類以上の果実を使用したもので、その使用総量が醸造酢1Lにつき果実の搾汁として300g以上のもの
米酢 米黒酢 大麦黒酢 りんご酢 ぶどう酢
穀物酢のうち、米の使用量が穀物酢1Lにつき40g以上のもの 穀物酢のうち、米(玄米のぬか層の全部を取り除いて精白したものを除く)またはこれに小麦及び大麦を加えたもののみを使用したもので、米の使用量が穀物酢1Lにつき180g以上であって、かつ、発酵及び熟成によって褐色または黒褐色に着色したもの 穀物酢のうち、大麦のみを使用したもので、大麦の使用量が穀物酢1Lにつき180g以上であって、発酵及び熟成によって褐色または黒褐色に着色したもの 果実酢のうち、りんごの搾汁が果実酢1Lにつき300g以上のもの 果実酢のうち、ぶどうの搾汁が果実酢1Lにつき300g以上のもの
~その他~
加工酢
食酢に醤油、砂糖、香辛料等を加えて味を調製したもので「調味酢」、「合わせ酢」とも呼ばれており、代表的なものに「すし酢」、「三杯酢」、「たで酢」等がありますが、食酢とは区別されています。
バルサミコ酢
ぶどう酢の一種です。ワインのように長年熟成させて高級品となることも。
もろみ酢
泡盛の製造過程でできる「もろみ粕」を原料としたもので、主成分がクエン酸で酢酸発酵していないことから、食酢には含まれません。
梅酢
梅干しの製造過程で生まれる酢で、梅の栄養成分がたっぷり含まれています。酢酸成分は含んでいません。

このように、酢は様々な原材料から造られています。 原材料が違うので、風味も違ってきます。いろいろと試してみてお好みの酢を見つけたり、お料理によって使い分けたり、楽しみが広がりますね。

酒のあるところ、かならず酢あり

世界には驚くことに4000もの種類の酢があると言われています。 どんなお酒でも発酵させれば酢になるのですから、お酒の種類だけ酢の種類があるともいえるわけです。 日本で最も有名なのは言うまでもなく、日本酒からつくられる米酢でしょう。

海外だと、たとえばフランスの場合はワインビネガー、ドイツならモルトビネガー(ビールから造る)といったふうに、その国でよく飲まれているお酒がわかれば酢もおのずとわかります。なんだかおもしろいですね。ココナッツやバナナから造られた酢もあるようですよ。


アップルバルサミコ

アップルサイダービネガー

プレマシャンティ純米酢

プレマシャンティ赤梅酢

プレマシャンティ有機黒酢

なぜ酢は体にいいと言われるのか

昔から酢には、実に多くの健康効果があると言われています。 殺菌力、防腐力、食欲増進作用などはよく知られ、古くから活用されてきました。 そして近年ではこれに加えてさまざまな力があることが研究でわかってきています。 ここでは酢の主な効果をいくつか紹介します。

疲労回復

酢は、言うまでもないですが「すっぱい」ですよね。 このすっぱい味のもとは、酢酸やクエン酸、タンパク質を構成する多種のアミノ酸など、60種類以上の有機酸です。 こうした成分がクエン酸回路(TCA回路・クレブス回路)を活発にします。

「クエン酸回路?生物の授業で習ったような気もするけど…。」 という方も多いと思うので簡単に説明すると、 摂取した食べ物を効率よくエネルギーに変える仕組みで、酸素呼吸をする生物全般のからだの中で起こっています。 食事で摂取したブドウ糖などの栄養は、各細胞内で「ピルビン酸」となり、酵素分解されて「アセチルCoA(活性酢酸)」になるのですが、このアセチルCoAはさまざまな酸に変化してエネルギーを生み出すという、クエン酸回路を活発に働かせるためには必要不可欠なもの。

不摂生な食生活を続けるなど栄養バランスが悪いと、クエン酸回路の働きが低下し、ピルビン酸がアセチルCoAになることができず、疲労物質である「乳酸」になってしまい蓄積され、筋肉疲労などを起こしてしまうのです。

「酢」を摂取すると、クエン酸回路に多種類の有機酸が補給され、代謝が活発になり、乳酸の蓄積を防ぎ、溜まってしまった乳酸の分解を促します。摂取した食べ物を効率よくエネルギーに変えてくれることで、疲労回復やスタミナアップに役立つのです。自然治癒力も高めてくれます。

また、スポーツをした後などに疲れたと感じるのは、体内でエネルギー不足になっていることが原因ですが、そういう時は糖分を摂ってグリコーゲンを補給する必要があります。糖分を摂る時にお酢を一緒に摂取すると、より効果的にグリコーゲンを補給できると言われています。ぜひ活用してみてください。

ダイエット効果

酢に含まれる「酢酸」には、脂肪の蓄積を抑える効果があります。 さらに上で述べたように、クエン酸は体内の脂肪をエネルギーに変えて消費し、アミノ酸はその脂肪の燃焼を促す効果があると期待されています。 運動をする30分~1時間前に酢を摂取しておくと、最も効率がいいと言われています。

また最近では、お酢を毎日摂ることで内臓脂肪を減らす働きがあることもわかってきました。 内臓脂肪が溜まると高脂血症、高血糖、高血圧などを引き起こし、さらにはメタボリックシンドロームにつながっていきます。酢を活用して肥満防止、さらには生活習慣改善に役立ててください。

腸内環境の改善

酢には抗菌作用があり、腸内の悪玉菌を減らしてくれます。 また腸内の善玉菌は、酢に含まれている「グルコン酸」が大好きなので、酢をとると善玉菌が増えて活発に活動してくれるようになります。

そうすると、腸の血流がよくなってぜん動運動が活発になり、腸内環境が改善されます。 便秘も解消され、活性酸素の発生が抑制され、疲れにくい体になります。原液ではなく、薄めた酢でもこの効果は得られます。

また酢のクエン酸は、カルシウムやマグネシウムなどの体に吸収されにくいミネラルと結びついて吸収されやすい形に変えてくれます(キレート作用)。 小魚を使った酢の物は、理にかなったお料理なんですね。

美肌効果

お酢には、過酸化脂質の上昇を抑える働きや、ビタミンCを壊してしまう酵素の働きを弱めてくれる作用があるため、美肌効果があると言われます。 上で述べた腸内環境の改善により便通もよくなることも、美肌効果の理由のひとつです。

高血圧抑制効果

毎日お酢を摂り続けることで、高血圧の人には血圧低下効果があることもわかってきています。 (正常な血圧の人がお酢を摂取しても血圧は低下しません。)

また、お酢の主成分である酢酸には血中脂質が高い場合に低下させる働きがあることもわかってきました。高脂血症は動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や狭心症のリスクを高めます。

毎日お酢を摂ることで血中脂質を低下させ、高血圧を抑制する効果が期待できると言われています。 ひいては心臓病の予防、脳卒中の予防にもつながりますね。

ガン抑制

京都大学の研究グループなどにより、酢のヒトがん細胞に対する増殖抑制効果と、動物に対する大腸がん予防効果が明らかになっており、日本癌学会でも発表されています。 将来的にはリンゴ酢から抗ガン剤を作ることも可能とみて研究を進めているグループもあるそうです。

他にもいろいろある、酢の健康効果

主なものを紹介しましたが、他にもかぜの予防、肝機能の予防、更年期障害の緩和、ストレス解消、アンチエイジング、神経痛や五十肩などにも効果があると言われています。

しかし、酢を摂取するだけで直接病気に役立つ、というわけではありません。あくまで、バランスのとれた食生活が大事である、ということが大前提です。 酢には、他の食品の栄養素の破壊を防いだり、消化吸収率をあげてくれるなどの働きがあり、相乗効果も期待できますが、バランスのとれた食生活があってはじめて、酢の効果が最大限に発揮されるということを忘れてはなりません。

陰陽五行のお話

バランスのとれた食生活のお話が出たので、ここでは食品の「陰陽」と「五行」に触れてみます。

陰陽とは

陰陽は、東洋哲学や東洋医学における宇宙の根本原理と言われています。 食品の陰陽において、陰性は冷やす、ゆるめる力を持ち、陽性は温める、引き締める力を持つとされています。理想は、どちらかに偏らないバランスの取れた食事を摂ることです。

このバランスが取れた状態を「中庸(ちゅうよう)」と言います。

お酢は「陰」の性質が強い

マクロビオティックの観点からいうと、そもそも人間は陽性。ゆえに、陰性のものを食べることが健康のバランスを保つ基本要件です。 お酢は陰の性質が強い調味料なので、「酢」を摂ることは中庸の状態を保つのに非常に有効と言えます。

ですが、ただやみくもに酢を摂ればよいという話ではありません。四季の変化や、個々のからだの状態に柔軟に対応する必要があります。 暑い季節に酢を摂ると、体を中から冷やしてくれる冷却剤のような役割を果たし、過ごしやすくなるのですが、寒がりの方や冷え症の方、低血圧の方などが酢を摂ると逆効果になることもあります。

また、寒い季節に酢を摂りすぎると、上記のような状態の方以外でも必要以上に体を冷やしてしまうことになりかねないので注意が必要です。

五行と五味調和

「五行」とは、万物は「木・火・土・金・水」の5つの要素から成り、それぞれ影響しあっているという考え方です。 食べ物は、陰陽だけでなく、酸(すっぱい)・苦(にがい)・甘(あまい)・辛い(からい)・鹹(しおからい)の五味であらわし、それぞれが関係する臓器器官の働きを助け、活性化させてくれると言われます。このことを五味調和と言います。 そしてこの五味と五行は密接に結びついています。

  • 木:酸/肝臓・胆のう
  • 火:苦/心臓・小腸
  • 土:甘/脾臓・胃
  • 金:辛/肺・大腸
  • 水:鹹/腎臓・膀胱

それぞれの臓器の調子が悪い時には、対応する五味を少し摂ると活性化されます。 ですが、摂りすぎは禁物。 あらゆる要素が関連しあってくるのであくまでも参考程度に、体調や食事の改善などは専門家に相談するようにしましょう。

お酢の上手な摂り方

お酢は、もちろん水や炭酸水などで割って飲むのもおすすめですが、果実酢などの飲みやすいものでないと、そのまま飲むのはハードルが高いことも。 食事に取り入れるのなら、肉や魚などの動物性食品と合わせて摂ると、消化促進の働きもしてくれるのでおすすめです。

動物性の食品は陽性が強いので、食べすぎると熱が体にこもってしまいます。さらに血管が収縮したり、高血圧気味になってしまったり、筋肉もかたくなります。

同時に血管や血液も固まりやすくなり、血栓やポリープができるリスクが高まってしまいます。 このような収縮する性質の強い動物性食品(陽性)に、拡散する力の強い酢(陰性)を組み合わせると中庸に近い、バランスのとれた状態となります。

酢はいろんなお料理におすすめ

お料理の話をすると、マリネや煮込み料理などのお肉料理は、酢がたんぱく質を分解しお肉をやわらかくしてくれます。 また、魚料理をするときには、酢が魚の臭みをとってくれます。 魚の臭みは「トリメチルアミン」という成分なのですが、酢はこの成分に作用して「酢酸トリメチルアンモニウム」に変化させ、臭いをもとから断ってくれるのです。

塩水に酢を加えると、同じ濃度でも、より塩辛く感じることが知られています。 これを利用して、お料理の時にお酢を使うことで、塩分を控えることができ、しかもおいしくまろやかに仕上がります。おいしくてしかも減塩できるなんて、これを活用しない手はありませんね。

こんな場面でも使えます
ごはんを長持ちさせる
お米2合に対し大さじ1杯程度の米酢を入れてごはんを炊くと、傷みにくくなります。夏場のお弁当などにも重宝します。酢飯のように、ごはんに酢の味がつくことはありません。
野菜のアクをとる
れんこんや山芋などのアクをとりたい時は、水200ccに対し小さじ1程度の酢を入れた酢水にさらすのが効果的。ただし、短時間であげるようにしましょう。あまり長時間さらすと、香りや栄養分が抜けてしまいます。また、サトイモや山芋で手がかゆくなってしまった時、手に酢をすり込んで洗うとかゆみがやわらぎます。
ゆで卵を作る時にも
ゆで卵を作る時に酢を少し加えてゆでると、卵が割れてしまっても白身が流れにくくなります。また、殻も剥きやすくなります。

酢の選び方~正しく選んでもっとおいしく、もっと健康に~

酢が体にいいことも、いろんなお料理に使えることもわかったけど、お酢って世の中にたくさんあるので、どれを選んでいいか迷ってしまいますよね。 ここでは、良いお酢を選ぶためのポイントをご紹介します。

良いお酢の条件は、有機酸や天然のアミノ酸が豊富に含まれていること。私たちがよくスーパーマーケットなどで目にするお酢は主に

  1. 醸造酢
  2. 合成酢
  3. 加工酢

の3種類ですが、この中で健康効果が期待できるのは1の醸造酢です。 有機酸やアミノ酸は、醸造酢に最も多く含まれ、合成酢や加工酢では少なくなっています。 醸造酢は殺菌効果も強く、疲労回復にも効果的だと言えます。

酢を選ぶ時のポイント

ひとえに醸造酢と言っても、その種類もいろいろ。 あとは、「自分がおいしくいただけるか」を基準に選んでいただければと思いますが、より選びやすいように、いくつかの酢を種類ごとに比較してみました。もちろんメーカーによって味や香り、価格設定も違うので、参考までにご覧ください。

穀物酢 米酢 黒酢 果実酢 ワインビネガー バルサミコ酢
原材料 麦や米、コーンなどをブレンド 主にお米 お米または麦 果実と果汁 ワイン ぶどうの果汁
健康効果の期待度 ★★
有機酸やアミノ酸が少ないため
★★★★
米酢なら有機酸が、玄米酢ならビタミンやミネラルが豊富
★★★★★
穀物酢や米酢よりも多くの原料を使うのでアミノ酸が非常に豊富
★★★★
アミノ酸は少なめだがその分果実の栄養素が摂れる
★★★
ポリフェノールが含まれるので、美容やアンチエイジングに
★★★★
ポリフェノールに加え、ビタミンやミネラルが豊富
味の特徴 酸味もクセも少なく食べやすいが、酸味が好きな人だと味気なく感じることも 酸味は平均的。お米特有のまろやかさや甘みがありツンとしない 香りとコクが強く、クセも強い フルーティなので、飲むお酢としても使える ぶどうの香りはするが酸味や苦みは強め 苦味はなくコクが強い 加熱すると酸味より甘みが引き立つ
価格設定 低め 平均的 ただし「純」がつくと高めになる 高め 平均的 やや高め 高め
おすすめ料理 どんな料理にも合わせやすい 和食との相性抜群! 酢飯や酢の物など 酢豚・油淋鶏など中華料理 ドレッシング ワインと同じように赤は脂っぽい料理、白はさっぱりした料理 肉料理や魚料理のソースとして

こんな酢には要注意

市販のお酢には食品添加物が入っているものが結構あります。 もともと味がついていればお料理の時には楽かもしれませんが、健康効果があまり期待できなくなってしまいます。 どういう目的で、どういう時に酢を使いたいか、よく考え、しっかりと原材料を見て選ぶようにしましょう。

酢の代表的な添加物
醸造アルコール
食用に用いられるエタノール(アルコール)のこと。毒性があることで知られている。 経口摂取した場合、重症なものだと昏睡・低血糖・脳浮腫などの症状が起こることもある。
合成着色料
美味しそうな色にするためのカラメル色素。 おもにカラメルⅢとカラメルⅣが使われているが、製造工程で発生する物質には染色体異常を引き起こす可能性があり、発がん性のリスクにもつながると言われている。
人工甘味料(遺伝子組み換えコーン由来)
遺伝子組み換え作物は、発がん性や催奇形、短命などの危険性が危惧されている。
静置発酵法と速醸法

お酢は本来、じっくりと時間と手間をかけて製造する発酵食品です。 酢酸は空気を好み、液体の表面だけで働きます。そうしてじっくりと発酵することで栄養素が詰まった酢ができあがるのですが、この方法だと発酵するのに時間がかかるため、最近では、コストを削減して大量に早く製造できる速醸法(通気法、連続発酵法)で造られたものが多く流通しています。

上で紹介した「伝統的な米酢の作業工程」の⑤は、古来から伝わる「静置発酵法」です。この方法で丹念に時間と手間をかけて造られた酢であれば、複雑な味わいがあって栄養が詰まっており健康効果も期待できますが、短時間で大急ぎで造られた酢だと栄養価はあまり期待できません

ですが、通気法などの酢酸菌の働きを管理する方法で造られたお酢は、すっきりとした味わいに仕上がることが多く、酢が苦手な方だと食べやすいという利点もあります。

お酢を摂るうえでのQ&A

1日あたりどのくらいのお酢を摂ればいいですか?
お酢は薬品ではありませんので、明確な量というのはありませんが、だいたい1日に15ml~30mlくらいを3~4ヶ月続けることで、高血圧に効果があると言われています。
お酢を摂ると歯が溶けるって聞くけど?
酢を口にすると、唾液が出て酸が中和されるため、一度に大量の酢を摂るなど常識外のことをしなければ、特に問題はありません。唾液が出にくい体質の方などは、酢を口にした後はお水でゆすぐことをおすすめします。
お酢はいつ摂るのがおすすめ?
お酢を摂ると代謝があがるので、朝摂ると1日さわやかで健やかな日を過ごせるでしょう。夜に摂れば、睡眠中に体がしっかり休まり、疲労回復に役立つでしょう。また、お酢はお腹のリズムを整えてくれるので、お食事の後に摂るのもおすすめです。1日のどのタイミングで摂ってもうれしい効果が期待できる、ということですね。
開栓後のお酢はどのように保管すればよい?
お酢は強い殺菌力をもち、冷蔵庫に入れなくても腐ることはありませんので、直射日光や高温を避けて保管すれば大丈夫ですが、果汁などがはいったものは冷蔵庫で保存するのがおすすめです。ただし、基本的には製品に記載の保管方法に従ってください。毎日使うなどして酢を揺らしてあげると、香りの劣化なども防ぐことができます。また、お酢が白く濁ったような状態になってしまうことがあります。これは空気中に飛んでいる野生の酢酸菌が酢の表面に付着して増殖することで起こる現象です。こうなってしまうと風味が損なわれてしまいます。酢を揺らしてあげることで、酢酸菌の増殖を抑制する効果も期待できます。
最近購入したお酢と1年前に購入したお酢の色が違うのはなぜ?
保管条件にもよりますが、お酢の中の糖類とアミノ酸類が反応して色づく現象ですので、ご使用いただいても問題ありません。

「食」だけではない!お酢の便利な使い方

お酢には抗菌効果があり、家庭のあらゆるところで役立ちます。 手も荒れないですし、もちろん口に入っても大丈夫ですから、小さなお子様がいる家庭にもおすすめ。 賞味期限が切れてしまった時などは、すぐに捨ててしまわずに食用以外の用途に使いましょう。 便利な使い方をいくつかご紹介します。

まな板や包丁の殺菌・除菌に

  1. お酢でスプレーを作ります。(酢200ccに対し塩を小さじ2程度)
  2. まな板や包丁に熱湯をかけて、スプレーを吹きかけます。
  3. そのまま一晩置いておくだけ。

冷蔵庫や炊飯器、電子レンジの除菌・汚れ落としに

布をお酢で湿らせて拭けば、さっぱりとキレイになります。臭いもとってくれます。

排水溝や生ごみのニオイに

お酢のスプレーをかけておけば、殺菌・除菌効果でニオイ防止にもなります。排水管が詰まってしまった時は、1/2カップの酢と一握りの重曹を注いで水を流すとつまりがとれます。

トイレ掃除に

お酢は酸性なので、尿などアルカリ性の汚れやニオイをとってくれる性質があります。便器やフタ、床などにスプレーして布で拭き取るとすっきりします。ガンコな汚れには、お酢で湿らせた布を使ってみてください。

くもったガラスをピカピカに

粗塩大さじ2に酢を大さじ1/2混ぜたものでくもってしまったガラスを磨くと、驚くほどピカピカになります。ガラス食器を洗う時、少し酢を混ぜた水で洗うだけでも艶が出ます。また、茶碗や急須についてしまった茶渋もキレイに落ちます。

畳やフローリングの汚れに

2リットル程度のぬるま湯に酢を大さじ2杯加えます。布を浸して固く絞って拭いてから、乾いた布で拭くと汚れがキレイにおち、べたつきもとれます。

●お客様へ重要なお知らせ
食料品や衛生品のまとめ買いや、催告のないテレビ放映などで、突然数千件の注文が押し寄せることもあります。弊社で販売する品の大半は、丁寧に心を込めて目と手で作られた希少性の高い作品です。そのため、「在庫あり」表示や「受注承認メール」配信後に入手不可能であることが判明する場合があります。この場合、ご用意できない品は弊社の判断にてキャンセル扱いとさせていただき、在庫が確保した品のみを可能なかぎり早くお送りしますので、ご理解をどうぞよろしくお願いいたします。