大豆で"新しい"を創造する 美濃与 大豆焙煎所の大豆出汁
大豆加工専門工場で、精進料理に着目して開発された大豆だし。だし汁だけでなく、素材もすべて食べられます。
明治35年創業の京菓子原材料専門店である株式会社美濃与が
京都・伏見の地に構える大豆加工専門工場「大豆焙煎所」。
株式会社美濃与とプレマのコラボレーションで作られた
日本の第三のコーヒー「BEYOND COFFEE(ビヨンドコーヒー)®」も
ここで生まれました。
そしてこのたび、この工場で創意工夫を重ねて完成したのが"大豆出汁"。
良質な国産大豆のみを使い、大豆焙煎士がお出汁にぴったりの煎り加減に仕上げました。
抽出方法も簡単で、豆の状態で長期保存でき、
しかも出汁をとったあとの大豆も食べられる、まさに一物全体の逸品。
ぜひ、ご賞味ください。
私は京都人ですので、出汁と言えば鰹だしが口にあいます。
一方で、「動物性素材は食べられません」という方にも多数の飲食物を提供する立場にあり、その選択肢を増やすことが多様性に応え世界平和に繋がると考えていますので、代替素材研究には余念がありません。
鰹よりもうまみが長く持続する素材、それが特殊な煎り大豆とは多くの人が知りません。
自分で煎っても決して出ない強くて長持ちするうまみ、それがこの大豆出汁パックです。




美濃与 大豆焙煎所
大豆焙煎所の特長
当工場は、専用工場ならではの強みを生かし、大豆焙煎士が、京菓子店を初めとする菓子職人からのさまざまなニーズにきめ細やかに応えるきな粉づくりが特長です。
(1)FSSC22000取得(2025年4月)
FSSC22000とは、ISO 22000を追加要求事項で補強した食品安全マネジメントシステムに関する国際規格。
(2)大豆専用工場だから、大豆以外の混入がない
大豆専用工場であるため、コンタミネーションがないことが当工場の強み。異物混入対策として、極力人の手が入らない生産ラインを設計し、焙煎・充填・梱包の作業部屋を分けることにより、徹底した衛生管理を行っています。
(3)大豆焙煎士が目的に合わせて焙煎
大豆は、古くから日本人が慣れ親しんでいる食材で、高たんぱくでミネラルも豊富。沖縄を除く日本全国で栽培され、銘柄や味わいも多種多様な食材です。
そんな大豆を、大豆焙煎士が目的や好みに合わせて焙煎しています。
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大豆出汁
持続可能な美味しさを
持続可能な社会や生物多様性の大切さがますます注目される今、株式会社美濃与は京都から、身近な暮らしの中でできる小さな一歩を大切に、未来につながる取り組みを進めています。
大豆出汁の開発もその取組のひとつ。
大豆出汁は、古くから精進料理にも使われてきました。最近では天然昆布の不作や水産資源の減少が顕著になる中、サステナブルな出汁の新しい選択肢としてその可能性が注目されています。
大豆焙煎所で、大豆の皮を焦がさずに中心までむらなく熱を加えることにより、品質の安定した大豆だしを実現しました。焙煎によって引き出された大豆の深い旨味と自然な甘みが素材と調和することで、口の中に広がる深い余韻を生み出します。
開発者からのメッセージ
「だし」は、日本料理の基本です。
私は主婦として、料理に携わってきました。 でも、ずっと、料理の基本である「だし」について私自身があまり理解していないことが気になっていました。
「だし」を知ることは、料理の美味しさだけでなく、健康について知ることです。 また、郷土料理とも深く関わりがある「だし」を知ることで、 地域や人々の思いを知り伝えていくことができると考えています。
「だし」を通じて、日本国内はもとより、世界にもつながりを作っていけたら幸いです。
大豆出汁のポイント
いろんな料理に使いやすい
大豆は、グルタミン酸という旨味成分を含み、甘みが強く、和風にも洋風にもアレンジが可能です。
簡単に抽出できる
焙煎大豆150gに熱湯1Lを注ぎ、一晩置くだけ。
素材を無駄にしない
抽出後の出汁がらも料理やお菓子に活用できます。画像は、出汁をとった後の大豆を使った甘露煮。
ヴィーガン・プラントベース
動物性素材を使用しないので、ビーガンやベジタリアンの方もお召し上がりいただけます。
国産大豆使用
国産大豆を選んで食べることは、農業の活性化や国内自給率のアップにつながります。輸入に頼らないことでCO2削減の効果も期待できます。
SDGsにも着目
これまでの日本の出汁は主にカツオや昆布が使われていましたが、大豆出汁を活用することで海の豊かさを守ることにも貢献できます。
ラインナップとだしの引き方
大豆出汁
良質な国産大豆のみを使った煎り大豆です。色々な素材のお出汁に大豆出汁を加えていただくだけで、旨味が増し全体の風味の下支えをしてくれます。


- 煎り大豆150gに対して1~1.5Lの熱湯を注ぎいれ、涼しいところで一晩おく(夏季は冷蔵庫)
- 大豆を取り除き、お料理にお使いください
- 大豆も美味しくお召し上がりいただけます
※大豆の特徴として、加熱すると濁ります(乳白色)。事前に熱湯で煎り大豆の表面を流すと濁りにくくなります。
出来上がり量:約750ml~1200ml
日持ち:冷蔵庫で2日程度、冷凍保管可能
炊飯器で簡単調理!大豆ごはんレシピ

【材料】
- 大豆出汁(豆) 50~75g
- 米 2合
- 水 80g(調味料を入れる場合は量を調整してください)
- 塩 4g
- ※お好みの調味料で味付けしてください。ショウガや野菜などを入れてもおいしいです。
【作り方】
- お米2合を洗う
- 炊飯器にお米を入れ、水を2合の目盛りまで入れる
- 水を約80g追加し、塩とお好みで千切りの生姜を加える
- 大豆出汁(豆)を入れる
- 炊飯スタート!
大豆出汁パック
良質な国産大豆のみを使った煎り大豆に、原木で育てた椎茸を昔ながらの製法で低温乾燥させた優しい風味で食べ応えのある乾燥椎茸と北海道産の昆布を合わせました。
ヴィーガン、ベジタリアンの方はもちろん、赤ちゃんの離乳食や小さなお子さんの食育にもおすすめ。


- 1パックに対して650㏄の熱湯を注ぎいれ、5~6時間(一晩)つける
- だしパックを取り除き、お料理にお使いください
- だしパックの中の素材も美味しくお召し上がりいただけます
出来上がり量:約550ml
日持ち:冷蔵庫で2日程度、冷凍保管可能
素材まるごと!大豆出汁パックで五目豆レシピ

【材料】
- 大豆出汁パックでとった出汁 約300cc
- 出汁をとった後の大豆出汁パックの中身
- にんじん 1/4本
- こんにゃく 1/6枚
- ごぼう1/4本
- みりん 大さじ1
- 砂糖 大さじ1
- 醤油 大さじ2.5~3
- ※分量は目安です。お好みで調整ください。
【作り方】
- 大豆だしパックで出汁をとっておく
- 大豆出汁パックの椎茸、昆布とにんじん、こんにゃく、ごぼうを大豆の大きさに合わせて刻む
- 具材がかぶるくらい大豆出汁を加え、みりん、砂糖、醤油を加えて煮る
大豆出汁がらアレンジ
そのままや塩味アレンジ
出汁がらに米粉や片栗粉で衣をつけて低温でじっくり揚げれば、おいしいおやつやおつまみになります。お好みの調味料でお召し上がりください。
圧力釜で簡単調理!大豆餡

【材料】
- 出汁がら大豆 150g(吸水前重量)
- 糖度55度の砂糖密(砂糖55%・水45%)
- 白あん
※生豆でもできます
【作り方】
- まず、大豆甘露煮を作ります。出汁をとったあとの大豆(もしくは吸水した生豆)を圧力釜で15分加熱する
- ゆで汁は捨てる
- 柔らかくなった大豆に糖度55度の砂糖蜜を入れ、圧力釜で5分加熱する
- 自然と圧が抜け、温度が下がるまで待つ(半日~一晩)
- 糖度を確認し、砂糖を追加して糖度55度に調整し、圧力釜で5分加熱する
- 自然と圧が抜け、温度が下がるまで待つ(半日~一晩)
- 5から6を繰り返す
- 再沸騰させ、蜜をきり、出来上がった大豆甘露煮の重量を確認する
- 大豆甘露煮と同量の白あんを混ぜる
※大豆甘露煮をフードプロセッサーでペーストにし、大豆だけで大豆餡を作ることもできます。 - 最中などに挟んでおいしく召し上がれ
フロランタン
【材料】
- 砂糖 90g ★
- メープルシロップ 90g ★
- 豆乳 90g ★
- ココナッツオイル 90g ★
- 大豆出汁がら 150g(お好きなナッツでも作れます。※事前に乾燥したもの)
- 塩 少々
- 最中種
【作り方】
- 大豆出汁がらは170度のオーブンで1時間程度焼き、乾燥させて砕く
- オーブンを200度に予熱しておく
- ★の材料を鍋に入れ、火にかける
- 鍋全体がグツグツ沸騰してきたら、砕いておいた大豆を加える
- 時々混ぜながら2分程度煮詰める
- すぐに最中種に入れる(最中種の6~7割程度)
- オーブンを180度に下げて20分焼く
※最中種の大きさによって焼成時間が異なります。焼き色を見ながら調整してください。
その他の活用例

大豆出汁をジュレ状にしてカルパッチョに

白みそ仕立てのお椀

野菜の炊き合わせ
可能性は無限大!大豆出汁の魅力
発売に先駆けて開催された大豆だし提案会イベントにて、精進料理矢尾治さんとネオベジタリアン料理家erico先生がこの大豆出汁を活用されたお料理をいただきました。
どちらもさすがプロ!あまりのおいしさに悶絶必至でした。
矢尾治さんのお弁当(茶飯・炊き合わせ・オクラすり流し)
まず最初にいただいたのは、精進料理矢尾治さんのお弁当。
日本の伝統と古来の智慧を活かしたやさしいお味に心も体もホッとゆるみました。
このお弁当のほかに国清汁というお味噌汁と、出し殻を使った焼きなすのアイスもいただきました。
思わず天を仰いでしまうほどの美味!
エリコ先生のお料理プレート(きゅうりと山椒のカレー・パニプリ・フムス&山椒クラッカー+おまけ:プラントメイトツナ風)
erico先生がおっしゃるには、だしはだしでもちろんおいしいけれど、だしを取った後の出し殻がスゴイ!とのこと。
たとえば、フムス。エリコ先生がよく使われるのはひよこ豆ですが、ひよこ豆はどうしても輸入に頼らざるを得ないので、国産大豆を使ってみようと思われたこともあったそう。でも、ペーストにすると大豆の主張が強すぎるのだとか。ところが、この大豆出汁をとったあとの出し殻は、大豆のうまみは出汁として出切っていて良い意味で大豆らしさがないため、味付けの邪魔をしないので便利だとおっしゃっていました。
エリコ先生のスイーツプレート(ズッキーニブラウニーのカカオフムス添え・ラズベリーと大豆のシャービック)
また、ベジスイーツに乳代わりによく使われるカシューナッツの代用品としても非常に有用で、こちらも輸入に頼らざるを得なかったのが大豆なら国産のものが使える上に、たんぱく質もたくさん摂れて、まさにいいことずくめ。まさか、大豆出汁をとった後の出し殻がこんな美しいスイーツになるなんて!

erico(えりこ)
★ベジタリアン料理家
★マクロビオティック望診法指導士 プロフェッショナル
★一般社団法人 Neoベジタリアン 代表理事
公式サイト(外部リンク)
美大卒業後タイルモザイクアーティストとして活動。2軒のカフェ立ち上げ&運営を経て現在に至る。重度のアトピーだった長男と暮らす経験と「完全菜食」(Vegan)の実践体験を活かし、時代に沿った食事&スイーツを伝える。