布ナプキン『うふふわ。』代表取締役社長 内田登代紀さんインタビュー

製造販売元・株式会社Danae(ダナエー)代表取締役社長 内田さんにお話しを伺いました

『うふふわ。』代表取締役社長 内田登代紀さんインタビュー

布ナプキン「うふふわ。」
製造販売元・株式会社Danae(ダナエー)
代表取締役社長 内田登代紀さんにインタビュー

うふふわ。製造販売元・株式会社Danae(ダナエー)代表取締役社長 内田登代紀さん

福岡県古賀市出身。福岡市在住。九州造形芸術大学卒業。2008年に起業。女性のための布ナプキンを全て手作りで製造。そのかたわら、女性を応援する活動を行う。学校などでも「性」に関する正しい知識を広めるための講演活動も行っており、さまざまな分野で活躍している。

―― 「うふふわ。」を製造、販売することになったきっかけはどんなことですか?
うふふわ。代表・内田さん

内田さん

実は、若いころは家具職人を目指していました。その頃は結婚にも子どもにも興味がなくて、どちらかと言うと女性としての性は邪魔なもの、という意識を持っていました。結局は家具職人は諦めて、縁あって結婚、出産をしたのですが、その経験で自分の意識がガラリと変わりました。

産後、月経が再開したときに助産師さんにすすめられて使い始めたのが布ナプキンとの出会いです。

つけてみると気持ちが良いし、自然とトイレで出せるようになったし、とても良いものだと思って人にも薦めていたら、どこで買えるの?と聞かれることが多くなって、これをママたちのお仕事にしたらみんな幸せなんじゃないかと思って作り始めました。

―― 今でも手作りを貫いていらっしゃるんですよね。何か理由があるのでしょうか。
うふふわ。代表・内田さん

内田さん

はい、ママたちが手作りしています。裁断から縫製まで全てです。

一度、縫製工場の見学に行ったこともあるのですが、効率優先のために流れ作業で縫う姿を見て、「この方たちは今自分がどんなものを縫っているのか知ってるのかな?」と思いました。もちろんその方たちは効率を優先させるべきだからいちいち考えないようにされているのは当然のことだと思います。

でも、私たちの布ナプキンは、単なる雑貨ではないと考えているので、どんなもので、どんな人たちのどんな役に立つのか、自分がそれのどんな役割を担っているのか、それを理解してくれる人に作ってもらいたいな、と思ったんです。少人数で、大量生産はできないのですが、気持ちを込めて作ると伝わるものがあると私は信じていて、「うふふわ。」の場合は、「ありがとう」とか「かわいいね」という気持ちを持って作ってもらうようにしています。作り終わった後にも、必ず「ありがとう」と声をかけてもらっています。

一つひとつの布ナプキンは、納品までに4-5回は「ありがとう」などと素敵な言葉をかけられているんです。それがあるのとないのとでどう違うのか、わからないですけど、お客様から、「届いた瞬間に、なんだかすごく嬉しかったんです。」と言われることがあるので、そんな時は「伝わったのかな」と思いますし、勝手に信じて続けています。あんまり言うと怪しい人と思われちゃうかもしれないですけど(笑)。

仕事だからって嫌々やるのではなく、人に喜んでもらうことを意識して、楽しんで仕事をしてもらいたいので、私のところでは12年前からずっとそれを徹底しています。

そこが他のメーカーさんとは違うところかもしれないですね。

―― 最近のご自身のことも少し教えていただけますか。
うふふわ。代表・内田さん

内田さん

実は、二年前に子宮筋腫で子宮を取っているんです。

でも、自分が布ナプキン屋さんなので、イメージダウンかな、と思ってこれまではあまり言わないようにしていました。

私は普段から冷やさないようにしたり食べ物に気を遣ったり、大切にしていたつもりだったのですが、それでも病気になることがあるということを身をもって知りました。

手術をすることになって、不安がたくさんありました。迷いましたが、抗うよりも、手放す道を選びました。後から考えると、その年は私にとって執着していたものを手放す、がテーマだったようです。

その時の気持ちを全て心に留めておいて、後々他の方に伝えることも、私の役目なのかなと考えました。同じ病気で悩んでいる方にも勇気を与えることができたら良いなと思っています。


また、過去に、痴漢などの性的な被害にもあったことがあります。もちろん加害者を許すことはできませんが、彼らも、ちゃんとした教育が受けられなかった、心が大人になれなかった、そういう意味では被害者でもあると思うんです。わたし自身が辛い思いをした経験があるからこそ、性教育は道徳教育と一緒に大人たちが愛をもって与えなければいけないと確信しています。これまでも国は犯罪に対する罰則を設け、啓蒙活動をしていくことは昔から行われてきました。それはそれで大切なことですが、何かを排除しようとしてそこに意識を向けることで、逆にその悪い事柄を引き寄せてしまう場合もあります。

だからわたしは、あくまでもポジティブなエネルギーで、性のことを伝えて行けたらいいなと。

まずは自分自身の存在は、両親の性行為によって生まれた事実をきちんと認識する必要があります。命の誕生が素晴らしく奇跡的であることと、性行為のイメージとが、かけ離れ矛盾していては…いけないんです。「生理なんて面倒」「セックスは汚らわしい」と思う人たちの意思が変化し、自分自身の存在を心から愛することができれば、他者を想いやる心が育っていくでしょう。そうすることで自然と性被害は減って行くことになるんじゃないかと考えています。

―― 性的なことってタブー視されがちですよね。
うふふわ。代表・内田さん

内田さん

女性の中には自分のデリケートゾーンを見たことがない方も多いと聞きます。無視してしまってるから、デリケートゾーンはいじけてしまいます。皆さん、顔は鏡に映して見ますよね。顔も、鏡すら見ずに無関心で放っておいたらどうでしょう。そして、デリケートゾーンにも、ネガティブなイメージを持たずに、きれいだね、と思ってあげることで本当にそうなって行きます。人間のエネルギーは会陰から入ってくる(ヨガの世界でも、第一チャクラ)と言われています。本来、本当に愛している人・愛されている人とのエネルギー交換をする大切な充電の場所でもあります。

性的なことは誰にも教わらないので、AVが教科書になってしまったりしますよね。あれはフィクションで、本当は違うんだよ、ということを思春期の子どもたちに教えていかないといけないなと考えています。

―― そういう性的なことを話すことって勇気がいると思うのですが。嫌なことを言う人も居るでしょうし。
うふふわ。代表・内田さん

内田さん

居てもいいです。もう吹っ切れてしまってるというか、それが、自分の人生に責任を持つことなんじゃないかと思っています。私の人生そのものについては他人からとやかく言われることではないし、文句を言ったりする方には私の言葉は響かないのかもしれないです。

でもそういう批判的な人がいて当り前、ある意味平和なことではないかと思います。100%の人が共感していたら逆に怖いというか、洗脳ですよね。

布ナプキンも全員が良いと感じるとは思っていないし、一人でも共感してくれる人が居たらいいなと思っています。

私が自分の人生を語ることで、少しでも、役に立ったと思ってくれる人がいたら嬉しいので、これからも発信し続けて行きたいと思います。

―― 息子さんがいらっしゃるそうですが、息子さんは内田さんの活動をどんな風におっしゃってますか。
うふふわ。代表・内田さん

内田さん

高校生なのですが、今は元夫のところに住んでいます。でもしょっちゅう会っていて仲良しなんですよ。仕事の話も聞いてもらってるし、相談にも乗ってもらってます。講座の内容をモニターとして聞いてもらって意見をもらったりも。優しいし、私より大人かも知れないです(笑)。小学校の高学年の頃に、私より身長が高くなってしまったのでその時に「もう子ども扱いするのはやめる!」と宣言しました。

一時期は、男の子のお母さんなんだから、とガミガミ母ちゃんをやってたこともあったのですが、私自身も向いてないし、彼にも向かなかったのでやめました。タイプ的に、大人扱いした方が頑張れるタイプだったんですよね。

今では私のことを心配してくれたり応援してくれたりしています。

―― 私も内田さんの「LOVEカルテ」を読んで初めて知ったこともありました。もう50代なのに!そして自分の体をもっと大切にしようと思いましたし、たくさんの人に知ってもらって自分の体を大切にしてほしいと思いました。
うふふわ。代表・内田さん

内田さん

ありがとうございます。嬉しいです。書いて良かった!

本当にそういうことですよね。「LOVEカルテ」を作ったときに、体のことや性のことを自分で勉強したり、いろいろな人に話を聞くうちに学ぶことがたくさんあって、これは本当に大切なことだし、もっと若い頃から知っていたかったと心から思いました。これを知っていれば、もっと自分のことを守れたり大切にできたりしただろうと思ったんです。例えば子どもさんが月経に対して最初にどんな情報を受け取るか、はとても重要だと思っています。

―― 月経の日を「お姫さまの日」と呼ぼう、とおっしゃってますね。
うふふわ。代表・内田さん

内田さん

月経に対するイメージって、ほとんどの人が後ろ向きなイメージを持ってしまってると思うんです。私も若い頃はそうでしたからよく解ります。店頭で布ナプキンを紹介していて、お客様に「ところで生理は好きですか?」と聞くと、ほぼ全員の方が「なんて変なことを聞く人なんだ!」というお顔をされて「好きなわけないじゃないですか!」とおっしゃいます。それが一般的なイメージですよね。でも、イメージは変えられると思っています。商品に対するイメージって、それを売りたい企業が作ったものだと思うんです。「生理がきつい、めんどくさい」というイメージをつけたかったのは誰なのか?「できるだけなかったことにしたい、これを使えば解決できますよ。」いうメッセージ。

それを、まず言葉から変えることで、言霊じゃないですけど「お姫さまの日」って呼んだ瞬間から、自分がお姫さまのような生活を心がけるようになると思ったんです。「お姫さまの日だからちょっとゆっくりしようかな、重たい物を持つのはやめようかな、誰かに甘えようかな。」お姫さまって無理しないですよね。あれしろこれしろの女王様じゃないですよ、お姫さまですから、ちょっと可愛い感じで過ごす何日間にしてほしいんです。そういう日があることによって、パートナーや旦那さん、男の子がいるお母さんだったらその男の子が活躍できる場ができるんですよ。「ママは今日お姫さまの日だから優しくしなくっちゃ」って。そういう子は大きくなったら今度は自分のパートナーに対しても、お姫さまの日だから優しくしよう、無理しないでいいよ、手伝うよ、と言うようになってくれたら素敵ですよね。夢物語のようですけど、そういうことって習慣だと思うんです。女の子だったら、お母さんがそうやって過ごしていたら自然と自分も同じようになりますよね。まずは自分自身が「お姫さまの日」と捉えてゆっくり過ごす。

そして、月経が終わったら今度は排卵期に向けて女性はものすごくパワフルでたくさんのことを同時にやりこなせる期間に入るので、その時にやればいいんですよ。それで全てがうまく回るようになってくるから、「ブルーデー」じゃなく「お姫さまの日」にして自分も周りもお互いに気遣えるようになっていく、そんな社会になればいいなと思ってつけた名前です。

―― もう、これ以上ないってぐらいピッタリ来るネーミングですね!
うふふわ。代表・内田さん

内田さん

そうでしょう!ぜひ、広めてください!

「お姫さまの日」って言った途端変わりますから。自分もそうだし周りもそうだし。

生理痛が酷くて、「生理なんてこなくていいのに」と思う方も多いと聞きます。私自身、若い頃はそんな風に考えていました。だからとってもよくわかります。そして、「我慢しなきゃ」ととりあえず鎮痛剤を飲んでごまかしている方も多いと思います。

そもそも、体に起こる「痛み」って、自分を苦しめるためにあるのではないですよね。痛みは体からのメッセージです。生理痛なら、「今は生理中だよ、休めて。」と言っているのではないでしょうか。毎月、生理痛があると生理が嫌いになってしまう。そして生理が嫌で生理中の過ごし方に無頓着になると、また生理痛が起こる。そんな負のサイクルに陥ってるのかもしれません。だから、思い切って変えてみてほしいのです。

―― 経血をトイレで出す「おんなの子スキル」について教えていただけますか。
うふふわ。代表・内田さん

内田さん

私自身が布ナプキンに出会って使っていて、だんだん布ナプキンを汚さなくなってきてトイレで出せるようになってきたので、調べてみたら、昔の日本人女性はみんなトイレで出していたんだということを知りました。着物を汚すわけにいかないので必然的にそうしてたんです。

布ナプキンを使うと、皮膚の感覚がよみがえってくるんです。温かいか冷たいか、柔らかいか硬いか、濡れてるかどうかとか、そういう感覚がよみがえってくるので、自然にトイレで出せるようになる方が多いです。使い捨てのナプキンは、濡れたことを感じさせないように作られてますよね。あまり他のメーカーさんを悪く言いたくはないのですが、使い捨てのナプキンを一番初めにつけた時の感覚、覚えてますか?すごく気持ち悪かったと思うんです。でも、毎月毎月つけないといけないから、そのたびに気持ち悪いと思っていてはストレスが溜まってしまいます。体は皮膚の感覚を鈍くして適応するようになるんです。だから多少濡れていてもわからない。それが布ナプキンを使うと、汚れたら気持ちが悪い。皮膚の感覚がよみがえってきて、自然と経血をコントロールすることができるようになる方が多いです。ちょっとコツがあるので、トイレでの出し方なんかは最近はオンラインのお話会で説明させていただいてます。(*プレマでもオンラインお話会を定期的に開催しています。)

感覚的なものなので、「できるんだ」と理解していただければどなたにもできるようになると思っています。特にお子さんは早いです。

みんなが月経を「お姫さまの日」と呼んで自分を慈しんで、「おんなの子スキル」でトイレで出せるようになると、世の中変わりそうだと思いませんか。

「おんなの子スキル」はただトイレで出せるようになることだけじゃなくて、子宮内膜をきれいに出すことができて体にも良いし、骨盤底筋群が活性化するので将来の尿漏れの予防にもなり、オーガズムを感じるためにも大切なので、そういった意味でも女性の喜びにつながると思っています。

―― 私にも娘がいますが、学校で教わる月経の話は使い捨てナプキンの会社が作ったパンフレットで説明されるので、誰も布ナプキンの存在すら知らないことが多いんですよね。
うふふわ。代表・内田さん

内田さん

そうですよね。布ナプキン屋さん、もっとがんばらにゃいかんですね(笑)

でも、それぞれの良さがあると思うので、私は絶対に布ナプキンを使わないとダメ、とは思っていません。お家にいるときだけ、とか、お休みの日だけ、とか、気が向いたときだけ、とか、私は嗜好品って呼んでるんですけど、楽しんで使ってもらえたら良いと思うんです。使わなきゃいけない、と思って眉間にしわ寄せて洗うとか、そういうことはしてほしくない。自分のために楽しんで使っていただきたいです。

ただ、情報として、さっきもお話したようにメリットがたくさんあるので、使い捨てを使っていても、「おんなの子スキル」というのがあるよ、ということを知っていただけたらいいなと思います。

―― 月経が終わって更年期に入った方にも布ナプキンはおすすめですか。
うふふわ。代表・内田さん

内田さん

もちろんおすすめです。つけてると温かいですし、一般に売られているショーツって粗悪なものも多かったりします。綿と言っても、体のことよりデザイン性を考えたものも多いと思うので、可能であればいつもつけてもらえたら、「うふふわ。」シリーズの布ナプキンはオーガニックの布や体に優しい素材を使っていて安心ですし、体にも良いと考えています。冷えると尿漏れもしやすいので、温めることで予防の効果があると思います。


また、一般的に売られているおりもの用のライナーは、つけると余計おりものを増やしてしまいます。ライナーに使われている物質が揮発して体の中に入ると、体は異物が入ってきたと判断して排出しようとするんです。目にゴミが入ったときに涙が出るのと同じです。だから、おりものが増える→ライナーをつける→また増えるという悪循環になってしまいます。布ナプキンを使うようになってから、おりものの量が減ったとか、臭いがなくなった、というお声をよく聞きますがそれはそういう理由からなんです。

閉経により女性ホルモンのエストロゲン量が低下すると乳酸桿菌が減少するため雑菌に対して弱くなります。「かぐやのお守り」は更年期世代の方のために「冷え取り」「尿漏れ」用に作ったもので、透湿防水布も入っており、竹布が温めてくれますし抗菌効果・消臭効果もあるのでおすすめです。

でも、実はおりものも、体内に取り入れてはいけない菌などの外敵を排出して体を守ってくれているので本当はありがたい存在なんです。


布ナプキンは体感型なので、何かを言うよりもまずは使ってみてほしいです。

これからも布ナプキンのことももちろん伝えて行きますが、同時に若い世代に向けての教育にチャレンジしていきたいと思っています。

取材を終えて

内田さんはとても可愛らしくて上品で笑顔が素敵な女性。初めてのインタビューでガチガチに緊張していた私に柔らかな笑顔で話してくださり知らないうちにリラックスしている自分に気づきました。勝手に親近感を覚え、昔からの友達のような錯覚に陥ってしまうという不思議な魅力。そして、やわらかな、優しい雰囲気なのに、芯はとても強い方だと思いました。性的な話をするのはとても勇気の要ることだと思います。それを「それが私の役目だと思うから」と明るく話してくださる姿に感銘を受けました。

すっかり内田さんのファンになってしまった私は、今回はコロナの影響によりオンラインでお願いしたインタビューとなりましたが、次回は絶対福岡に行ってお目にかかりたいと考えています。そして、私も微力ながらこうして皆様にお伝えすることで、少しずつでも良い方向に「変えて」いくことができたら嬉しいです。これからも彼女の活動を心から応援したいと思います。つい後回しにしてしまう、自分の体。もっと大切にして慈しんで行きたいと彼女の話を聞いてあらためて考えました。

\インタビュアー/

プロモーションセクション 西村 初美 (にしむら はつみ)

京都生まれの京都育ち。2013年よりプレマ勤務。普段はおっとり型なのに、考えるより先に見切り発車で行動してしまい後から困ることも多々。犬と小学生との二人と一匹暮らし。

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