
えさの粉末飼料と乾燥酵母を混ぜたもの。この中に無数のヤケヒョウヒダニがいました
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「気持ち悪い」「刺す」「血をすう」など、ダニにはいいイメージがない。しかし、家の中にはたくさんの種類のダニがいて、ほとんどの種類は人間と直接的なかかわりがないのだ。つまり、それぞれの生活圏で、静かに平和に過ごしているだけなのだ。
刺されてかゆみを感じるのは、ツメをもつ種類のダニ。しかし、これも吸血鬼のようにいつも私たちを狙っているわけではない。
「実験で、ツメダニに刺してもらおうと皮膚に載せても、実際は、めったに刺してくれないんです。
服と肌の間に挟まれたりして、ダニが驚いたときに刺すんです。蜂が驚いたときに刺すのと一緒なんです」
と巧さんはあくまでダニの側に立って物を見る。
いよいよ調査研究部門室に入れていただいた。応接間の隣が研究室になっており、その中に生きた衛生害虫や食品害虫・衣類害虫が飼育!?されている。
まず見せていただいたのが、ヤケヒョウヒダニがはいっているという容器。
中に入っている砥粉(とのこ)のようなものは、粉末飼料と乾燥酵母を混ぜたもので、ダニがいっぱいいるらしい。らしいというのは、肉眼でヒョウヒダニ(チリダニ)は見えないのだ。
顕微鏡で見せていただけることになった。
細い筆の先に水をつけ、蚤の大きさほどの酵母の固まりをシャーレの中心におかれた布上に移し置く。
見せていただいたのはヤケヒョウヒダニ。うわ〜っ!無数のダニが一斉に広がっていく。
"ダニ"という衛生害虫は言葉ではわかっていても、身近なものとしては感じられないもの。やはり自分の目で見るのが一番だ。しかし、よくよく見ると、真珠がキラキラ輝いているようで、とってもきれい!透きとおって、だんだんかわいらしく感じてくる。
「ダニは、織りの粗いシーツの目などがあると、そこに頭だけ隠すと、安心して、心地よさそうにしているんですよ」
「こいつら、エサばかり食って、なかなか金を生まないんですわ」
と田中巧さんのダニに対する愛情は尽きることがない。

目の粗い布と高密度繊維の上にダニが広がるようす。右の超長綿は目が密に織られており、ダニが入り込む隙間がない。
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「ツメダニが一番かっこいいんです!」

ツメダニが一番カッコいいと
巧さんが写真を見せてくださいました
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「あの人、ツメダニが一番カッコいいと思っているんですよ」田中良子社長が教えた下さった。
その拡大写真を見せていただくと、映画にでてくる怪獣そのもの。自然はどうしてこんな精巧な造形ができるのだろう!
「このツメでがっしり捕まえてから、ここの口が伸びて、エサのダニや昆虫を刺し、体液を吸うんです!」
なるほど、細部までほんとうに良くできている。映画のエイリアンのシーンはこれを真似たに違いない。いつのまにか私たちもその魅力にどんどん引き込まれてしまった。
人と環境の共生( symbiosis )が叫ばれる現代、人間だけの横暴で、邪魔者を排除していく考え方はもう通用しない。
人にもやさしく、ムシにも愛情をそそぐ、ビアブルさんの開発商品は、まさに21世紀の商品だ。
実験室の様子
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花から採集してきた衣類の害虫
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