生理用品(紙ナプキン)の原材料について

いつも使っている生理用品。どういったもので作られて、どんな構造になっているかご存じですか?

私たちの生涯と切り離せない「月のもの」

月経は女性のからだにとって欠かせない毎月の巡り。そのはじまりは平均して12~13歳頃からといわれており、50歳前後で閉経を迎えるといわれています。その年月は単純計算でなんと約38年。
では、女性は一生のうち何回月経を迎えるのだろう?平均を調べてシミュレーションしてみました。

※各調査の平均の数字を参考にしています。あくまで平均の数字です。

女性が一生に迎える月経の回数

月経のおこる期間
12歳で初潮を迎え、50歳で閉経を迎えたと仮定すると...
50歳 - 12歳 = 38年間
総回数
■妊娠・出産しない場合
月経のある期間と月をかけて計算します
38年 × 12ヶ月(回) = 456回
■1人出産した場合
懐妊すると妊娠・出産中は月経がなくなるため、約1年半(18回)の無月経期間があります
12×(38年 - 無月経期間1年半(18ヶ月))= 438回
■2人出産した場合
12×(38年 - 無月経期間3年(36ヶ月))= 420回

1人出産するごとに概算で1年半(18ヶ月)の無月経期間があるので、単純計算ですが

  • 3人出産 … 402
  • 4人出産 … 384
  • 5人出産 … 366
という風に減っていきます。

紙ナプキンのなりたちについて

私たちの生活と切っても切り離せないナプキン。
1枚に沢山の機能を持った、なんとも頼りになる存在です。
ナプキンに求められる機能といえばこんなところでしょうか。

  • デリケートゾーンに直接触れ、不快感なく経血を受け止めること
  • 受け止めた経血を吸血し、閉じ込めておくこと
  • 閉じ込めた経血を漏らさないこと
  • 下着に張り付いて簡単に外れないこと

その要求に丁寧に応えるように、一般的な生理用紙ナプキンは

  • 表面材
  • 吸収体
  • 防漏材
  • ズレ止め材
などのパーツで構成され、それらが何層にも重なって1枚のナプキンができあがっています。

一般的な紙ナプキンの構造

表面材
(広げた時に一番上にくる、肌に直接さわるシートの部分)

直接的に私たちのデリケートゾーンに触れ続ける部分です。
表面材の触り心地や快適性は使用感や皮膚トラブルに直結するため、とても重要とされています。
肌触りはもちろんですが、経血をしっかり吸収して逆戻りしないことが求められます。
合成樹脂の場合、不織布と開孔フィルム(ドライメッシュ)の2種類がよく使われています。
皮膚トラブルを軽減するため、表面に綿を使用した製品や オーガニックコットンを使った製品などもあります。

不織布タイプ
 10〜20ミクロンという極細繊維を絡み合わせた不織布。 表面材全体で経血を吸収します。開孔フィルムよりは肌にやさしいと言われています。
開孔フィルム(ドライメッシュ)タイプ
 ポリエチレンフィルムに開孔処理を施したものです。
「ドライメッシュ」「メッシュ」などと呼ばれています。
開孔部分から経血が入り、ほかの部分では滲まないようになっているため 吸収後もドライ感があるという特徴があります。
吸収体

吸収した経血を貯めておくタンクの役割を果たす場所です。
綿状パルプと呼ばれる綿、吸収した経血をゼリー状に固める給水ポリマー、 型崩れを防ぐ吸収紙などからできています。

防漏材

吸収した経血が下着ににじみでるのを防ぐものです。
経血を通さないよう、フィルム素材や撥水性の不織布が使われます。

ズレ止め材(いわゆる粘着テープ部分)

装着するとき下着からずれないようにする接着材です。
よりしっかり固定させるために両サイドにハネをつけたタイプのものもあります。
ドラッグストアなどで販売されている紙ナプキンの原料は主に合成繊維でできています。

※「合成繊維」とは有機合成による高分子化合物からできた繊維のこと。
主に石油などの原料から合成されています。

主な原材料について

メーカーが好評していた原材料について、一体どういうものなのか、あらためて調べてみました。

ポリエステル

「テレフタル酸と2価アルコールとのエステル単位を質量比で85%以上含む長鎖状合成高分子からなる繊維をポリエステル(JIS L 0204-2より抜粋)」と書かれています。
原油をガソリンや灯油に変える蒸留作業において出てくる「ナフサ」という物質の中の「キシレン」が原料です。

とても加工のしやすい素材で、繊維やペットボトル、衣服など身の回りの沢山のものに使われています。
速乾性は高いものの、吸水性が悪く通気性が低いという特徴があります。
熱がこもって汗がでやすくなり、さらに通気性が低いので蒸れます。
ポリエステル製のあったかグッズを買って、蒸れたという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

合成繊維としては、1950年代に「テメリカデュポン社(ダクロン)」と 「イギリスICI社(テリレン)」によって、それぞれ開発されました。
低コストで大量生産もしやすく、色々な形に加工できるため 日本国内でも合成繊維の生産量のおよそ半分がポリエステルといわれています。

ポリプロピレン

1898年にドイツの化学者が有毒ガスの研究実験中に発見されたといわれています。
1930年には具体的な合成法が開発され、戦後は世界中で使われるようになった素材です。
ラップやフィルム、食品容器、農業用フィルムやバケツ、洗面具、灯油缶やサンダルまであらゆるものに使用されています。

プラスティック素材の中で最も原価が安く、加工しやすいので色々な用途に向く素材です。
吸水性がほとんどないため防水性は抜群ですが、その分通気性がありません。

香料
青色202号
石油からコールタールを作るときにできる副産物から作られるタール色素のひとつです。 別名を『パテントブルーNA(Patent Blue NA)』といいます。
どの区分の製品にどのタール色素を使っても良いかは法律で定められていますが、青色202号は 「外用医薬品、医薬部外品及び化粧品に使用できるもの(47種)」の中に入っています。

比べてみました

ドラッグストアから

K社
表面材(トップシート)
ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステル
吸収材
不明(記載なし)
防漏材
不明(記載なし)
白、ピンク
漂白の方法
不明(記載なし)
着色・香料
赤色202号
その他材料について公開している情報
なし
その他の情報
・ふわポコ吸収シート・前面通気性シート
U社
表面材(トップシート)
ポリエチレン,ポリエステル
吸収材
不明(記載なし)
防漏材
不明(記載なし)
漂白の方法
不明(記載なし)
着色・香料
記載なし
その他材料について公開している情報
なし
その他の情報
・表面へのミスト塗布でドロッとした経血を分散・吸収
・表面に特殊な穴をあけることで吸収後のベタつきをカット
U社
表面材(トップシート)
ポリエチレン,ポリエステル
吸収材
不明(記載なし)
防漏材
不明(記載なし)
漂白の方法
不明(記載なし)
着色・香料
記載なし
その他材料について公開している情報
記載なし
その他の情報
記載なし
P社
表面材(トップシート)
ポリエステル,ポリエチレン
吸収材
不明(記載なし)
防漏材
不明(記載なし)
漂白の方法
不明(記載なし)
着色・香料
記載なし
その他材料について公開している情報
記載なし
その他の情報
記載なし
D社
表面材(トップシート)
ポリエチレン,ポリエステル,ポリプロピレン
吸収材
不明(記載なし)
防漏材
不明(記載なし)
白,青
漂白の方法
不明(記載なし)
着色・香料
青色404号
その他材料について公開している情報
記載なし
その他の情報
記載なし

弊社取扱品

masmi


表面材(トップシート)
不織布(オーガニックコットン100%)
吸収材
オーガニックコットン
防漏材
ポリエチレン,ポリプロピレン
漂白の方法
塩素系漂白剤不使用
着色・香料
なし
その他材料について公開している情報
記載なし
その他の情報
記載なし
商品ページ
グリーンパックス ナチュラムーン



表面材(トップシート)
コットン100%
吸収材
バージンパルプ100%
防漏材
ポリプロピレン,ポリエチレン,接着剤,剥離紙
漂白の方法
過炭素ナトリウムによる酸素漂白
着色・香料
なし
その他材料について公開している情報
エアースルーフィルム/ポリプロピレン・ポリエチレン
紙台紙/バージンパルプ
その他の情報
記載なし
商品ページ
パノコトレーディング sisiFILLE



表面材(トップシート)
オーガニックコットン100%
吸収材
ポリプロピレン/ポリエチレン、森林認証(PEFC・SFI)のある木材パルプ、薄葉紙
防漏材
ポリプロピレン,ポリエチレン
漂白の方法
酸素系漂白
着色・香料
なし
その他材料について公開している情報
接着剤:ホットメルト接着剤、熱可塑性樹脂
剥離紙:紙
その他の情報
オーガニックコットンは「bioRe」プロジェクトで作ったものを採用
途上国の貧困解消に役立つ
商品ページ

原材料は表示しなくていいの?

薬務課に聞きました

原材料や作られ方について調べるほど、ますますわからなってきた生理用品。

「法的な表示の義務についてはどうなっているのだろう」と思い調べた結果、生理用品など「医薬部外品」の表示の実務については メーカーの工場所在地がある各都道府県庁の薬務課が執り行っている、とのこと。

各メーカーの工場のある場所までは特定できなかったため、地元・京都府の薬務課に電話で聞いてみました。

「生理用品の原材料表示について調べています。 とある生理用品の原材料欄に「ポリエステル」と表記がありますが これは全ての原材料と考えてよいのでしょうか」

薬務課:「いえ、そもそも生理用品は医薬部外品です。 医薬部外品は「効能・効果に関わる指定の原材料」は記載するように 法的に定められていますが、他の成分の表示義務はありません

「生理用品に効能・効果はないですよね。
という事は、法的には『原材料欄には何も書かなくていい』ということですか?」

薬務課:「基本的にはそうです」

「ではこれ以外に使っているものや、途中で使われているものを知りたい場合はどうすればよいのでしょうか」

薬務課:「各製品のメーカーさんに直接問い合わせていただくしかないと思います」

メーカーさんに聞きました

やはり「詳しいことはメーカーさんに聞かないとわからない」とのこと。 ということで、直接各メーカーさんのお客様相談室に電話・メールなどで質問をしました。

その結果、ほぼ全ての会社さんから返ってきたのは
「社外秘なのでお答えできません」というお返事。

電話で問い合わせたある会社では、質問をした途端 「なぜそんなことを聞くのですか?」といわんばかりの態度をとられ、
「アレルギーなどあればそちらお調べいたしますが、何かそのようなアレルギーはお持ちなのでしょうか?」と何度も聞かれた所もありました。

そして、必ずどこのメーカーも、最後に「安全性には十分配慮しておりますのでご安心ください」という言葉を添えられて終わりました。

根拠が一切ないのに「安心してください」と言われても......

食品や化粧品はもちろん、衣類ですら生地の割合や安全性を示している現代において、 デリケートな部分に毎月必ず何日も触れる、しかも私たちの大半が何かを選ばなければいけない、「使わざるをえない」ものに対して その態度は不誠実なのでは?と思ってしまうのは私だけでしょうか。

わたしたちのからだが「わからない」のはなぜなのか

よく、「紙ナプキンには高分子吸収ポリマーが入っているので女性のからだを冷やす」と言われています。
「風邪の時に使う熱吸収シートと同じものを私たちは陰部に貼り続けている。
だから女性の体はどんどん冷えて、あらゆる子宮系の病気が引き起こされている」といわれる事もあり、 そういった話題布ナプキンに興味を持つ女性も増えています。
一方、「熱吸収シートは同じ物体だが、違う原理を利用しているので体が冷えることはない」と主張する人もいます。

「生理用品は医薬部外品という厳しい扱いをされているから安全だ」という声がある一方、 生理用品がダイオキシンを含んでおり、実際に経皮吸収されていたという報告も現実としてあります。

韓国では昨年、紙ナプキンの国内シェア20%近くを占める大手メーカーが出したナプキンに 揮発性の化学物質が混ざっており、大規模な健康被害があらわれ問題になりました。 この製品によって生理周期の変化や経血量、日数の減少などの後遺症が現れたのは実に数千人。これらは今も大きな問題となっています。

月経と女性のからだを巡る様々なウワサ。
自分の体を大事にしたい気持ちはあるものの、何が信じられるのかわからずに右往左往している女性がたくさんいます。 右往左往してしまう、それは女性が「産める体」を持つ性別であることとも関わりが深いのでしょう。

できるだけ負担なく、気持ちよく毎日を過ごしたい。
パートナーや産まれてくる子供の未来のためにも、できる限り最善最良の選択をしたい。
でも、色んな情報があふれていて、何が本当かわからない・・・
そうやって悩まれている方は今も数え切れないほどいらっしゃいます。

実際に紙ナプキンを脱して布ナプキンを使うようになった人たちは、その心地よさや快適感、今までの紙ナプキンの暮らしからいかに解放されたかを積極的に語ってくれます。
しかし、インターネット上には根拠のない話やいきすぎた女性性の賛美、極端なスピリチュアリズムと混ざったものもあり、足を踏み入れようとする方からみると、反射的に「なんだか怪しい...」と思ってしまうようなバイアスのかかった情報も少なくはありません。

ここまでさまざまな噂や情報が行き交い、混乱しているのはなぜでしょうか?
私は、女性の体にまつわる話が「タブー」とされてきた歴史と、 紙ナプキンというものが「よくわからないけど便利」な存在のままである事が原因にあるような気がします。

そして、後者を生み出す原因になったのは、いつまでも「よくわからないけど便利」なものとして 紙ナプキンを売り続けたメーカーの、情報公開に対する不誠実ではないでしょうか。

女性の月経という話題に女性間の大きな対立を作り、彼女たちが共存する場所を奪っているのでは、 他ではなく大手の生理用品メーカーなのではないか、とすら感じます。

正直、「大勢の人が毎日使っている生理用品、ちゃんと安全でした。
でも肌が弱い方や使い心地を求める方は是非うちで扱っている商品を使ってみてください」と言いたくて今まで調べてきました。
しかし、いくら尋ねても情報は一切もらえず、ただただ「大丈夫だから、安心してください」と念押しのように言われるだけ。

いつもの、「選択肢がこれ位しかないから使っている」生理用品が、 「本当は危険なのかも」と言われても、「そんな事ないよ!」と反論する材料が私たちの手元に全くない。

だから「危険だ」と言われたら思わず怖くなってしまう(もしくは聞かずに全否定してしまう)し、 よくわからないまま、全く逆の方向から言われたことや噂も正直に受け取ってしまう。

生理用品をめぐるこのような現状は、ひとつは私たちが自分の体に起こる「月経」という現象に対して「隠すべき、人と共有すべきではない」と思っていたこと。 そしてそれ以上に、生理用品を販売するメーカーが、とにかく売れるために、「月経」を私たちから隠し続けてきた結果であるように感じます。

でも、でもでも今は2018年。「売れれば良い」という時代ではありません。
私たちの生活では避けては通れない「月経」という問題に対して「それはポリエステルです」という説明はあまりに雑ではないのか。
なぜ、こんなに体と密接な関係を持つものを、ここまで「イメージだけ」で売らなければいけないのか。
ここに、女性と月経をめぐる様々な問題の本質があるような気がするのです。

ラベルから見えてくるもの

わたしたちはいつも、毎日様々な情報やニュースにふれ、 それぞれに色んな思いを抱きながらそれらを取捨選択し、考え、判断して日々営み続けています。

何か、未知のものや「よくわからない」ものに出会ったときは とりあえずできる限り情報を手に入れて、それらから「これは危険だ」「大丈夫だ」という判断をするでしょう。
あるいは食品など自分の身体や感性に関することであれば、自分の直感に従う人もいると思います。

「わからない」という事はとても怖く、私たちの足下を不安にさせます。 なぜなら「わからない」ものはどれだけ危険かもわからない、 しかも、危ないとしてもコントロールすることができないからです。

かつて絶対に安全だと言われていたけど 今は「わからな」くて「コントロールできない」。
私たちは、そんな安全神話が崩壊した事例を、痛い程身近に知っているはずです。

たとえば食べ物を買う時、その商品について詳しく知りたいと思ったら裏側のラベルを見ます。
更に製法や生産地などの疑問がわけば生産者やメーカーに問い合わせて詳細を確認することもできます。
メーカーの思い、商品の特徴、メーカー名、そして何より原材料表示。
それらを積極的に公開する企業もあれば、詳細を語らない企業もあります。
なぜ語らないかを語る企業もあれば、その理由すら沈黙を貫く企業も、様々です。

食品の原材料表示(いわゆる裏面)からは色んなことがわかります。
使っているもの、使っていないもの、その割合。
最初は科学調味料使用の有無やアレルギーを気にして裏面を見ていて、 その面白さからすっかり習慣になってしまっている方もいるでしょう。

出せる限りの情報を公開し、消費者に不安を抱かせないことはメーカーとして当然の配慮であり、 同時に「どこに出しても誇れる商品である」という自信と矜持の現れでもあると私は思います。

そして、そう考えたとき、そのすべて「社外秘」という言葉で覆い隠してしまうって、一体どういう態度なのでしょう。

もちろん本当に「社外秘」にしなければいけない技術的な部分もあるでしょう。
材料の産地や成分の配合の割合など、「漏れたらすぐに他社に真似されてしまうから 公表できない」そういう話も聞いたことがありますし、そう言ってもらえれば少しは納得もできます。

ただ、「これはポリエステルです。すぐに吸収してすごく快適です。 他にお伝えできることはありません」というアナウンスは、 いくらなんでも雑だし、作りっぱなしの傲慢な態度だと私は思います。

それによって不利益を被らない範囲で、できるだけ情報を開示する事は作り手として当然の責任です。

「どこで作られているか」「何が入っているか」「どうやって作られているか」
何を聞いても「秘密です」と言われてしまう。
それがもし食品なら、果たして手が伸びるでしょうか。

私たちは「わからない」ままでいいのか

「そういえば、なんでこれ使ってたんだっけ」
「なんとなく使っていたけれど、もしかしてもっと私に合う良いものがあるのかも」
「食べているものと同じように、日々使う生理用品も作り方や材料をしっかりと見て選びたい」
そんな事を思われる方は、きっと私だけではないと思います。

冒頭でも述べたように、女性の生理用品との出会いはとても受動的です。
代表的な三大理由は「親が使っていたから」「友達がいいと言っていたから」「初めての時にもらったから」。
今は使い捨てナプキン以外のものを使っている方も、どこかで「移行」した方がほとんどだと思います。

そういう、多くの女性がまずは「使わざるをえない」環境に置かされているものに対して 「何も教えられません」という不誠実さ。

確かに、高分子ポリマーの説明をされてすべての女性が「なるほどね」とはならないでしょう。
でも「わからないんだから伝えなくていい」のでしょうか。

「どうせ言ってもわからないだろう」「どうせどれかを使うしかないんだから」
「ずっと使う訳じゃないし、体に入るわけでもない。気にしなくていいよ」

メーカー側の、女性全体に対するそんな傲慢な態度が見え隠れするような現状に、私は正直怒りすら覚えています。

何度も言いますが、これらは私たちのからだに対して売られているものです。
提供している側は、使っている側の「知りたい」という声に対して できる限り誠実に答える責任と義務があります。

「法的には表示しなくていいので」という回答が、女性の体に密着するものを作る企業の答えであっていいなどと、私は決して思いません。

「安心」ってなんだろう?

今回、どの企業に問い合わせても繰り返し言われた言葉は「安心・安全」。 何度も繰り返されるこの言葉にすごく違和感を覚え、同時に腹が立ちました。

「安全性の高い商品です」というアナウンスはまだわかる。 しかし、「この商品は安心です」と企業側がアナウンスすることはおかしい。

なぜなら「これは安全性が高いです」という事と、 「これは安心です」という事は、同じようで全く違うからです。

世の中にはたくさんの人がいます。
体が強い人も弱い人も、病気の人も、アレルギーがひどくて生活ができない人も、 身体に異常はなくても特定のものが怖くて触れられない人もいる。

アレルギー物質を除去したり、トレーサビリティを徹底することで環境的・物理的な安全性を高めることはできますが、 全ての人にとって「絶対に安心」なものは絶対にありません。
なぜなら、「心がどうであるか」の基準は私たち一人一人の中にあって、「安心」かどうかは私たち一人一人が決めている事だからです。

人と人との関係と同じように、企業だって信頼できる、応援したくなる会社を選びたい。
いくら見た目が良くても、優しくても、不誠実な人とはお付き合いしたくありません。

商品に関して一切の情報を与えないばかりか、 空っぽで中身のない「安心」を押しつけて私たちに思考停止をさせる不誠実な態度。
今回、大手の生理用品メーカーに聞き込みを行って、 調査者として以前に一人の消費者として失望を感じた場面がいくつかありました。

この結果をもって「紙ナプキンは危険だ」「何が使われているかわからない」などと 主張するつもりはありません。
ただ、その判断材料を一切こちらに与えられてない以上、こちらには「わからない」という答えしか出せない。
その現状がそもそもおかしいのだ、という事だけはどうしてもお伝えしたい気持ちです。