濃いのにどこか透明感、香気成分ふんだんな「ダマスクローズウォーター」
甘いのに甘すぎない、濃いのにクドくない、ローズの香りが苦手な「私」が魅了される豪奢な香りの肌サプリ
バラの花弁と清浄な水。
ローズウォーターはシンプルです。
シンプルだからこそ、材料が大切。
シンプルだからこそ、つくり手が大切。
「バラの花弁」と「水」。
原材料では表現しきれない美しさの魔法を詰め込んだら、
華やかなのに、見た目はとても控えめなダマスクローズらしい
ローズウォーターになりました。
ブルガリアが誇るダマスクローズウォーター
「ローズウォーター」とは?
バラ水とも呼ばれる「ローズウォーター」は、バラの花びらを水蒸気で蒸留して得られる芳香蒸留水です。ハーバルウォーターやフローラルウォーター、エッセンシャルウォーターと呼ぶ方が、馴染み深いでしょうか。
バラの花弁を水蒸気で蒸すと、花弁に含まれる数百とも云われる化学構造をもつ成分が蒸気に溶け出します。この蒸気を冷却して得られる大量の水が、「ローズウォーターの素」です。なぜ素かというと・・・バラの成分には、油性の成分と水溶性の成分があるからです。表面に浮いた金色の層が、バラの油性の成分を凝縮したエッセンシャルオイルであるローズオイル。このローズオイルを取り除いたものが、水溶性の成分が凝縮された「ローズウォーター」です。
ブルガリア国立バラ研究所によると、天然のローズウォーターは一般に、肌を柔軟にし、潤いを与えるだけでなく、かゆみや皮膚の不快感、ハリや潤いの低下といったさまざまなトラブルに役立つとされます。肌のタイプも年齢も選ばす、健康で、生き生きとした魅力を外側から引き出すお手伝いをします。
芳香蒸留水とは?
植物は虫やカビなどから自身を守るために、虫や鳥を誘惑し繁殖するために、生育テリトリーを守るために、またその他様々な理由から、「香り」を持っています。バラやオレンジの花、ラベンダーやローズマリー、カモミールのようなハーブなどの香りの高い植物は、一般的に「香料植物」と呼ばれ、我々の先人たちによって世界中で活用されてきました。ハーブやスパイスは料理につかい、茶席ではくろもじ楊枝が欠かせず、忌避力の高いヒノキはタンスに使われ、香りの成分は香水やお香などに。先人たちの経験と工夫によって、暮らしの中に取り入れられた植物の香りは、人間の文化や歴史と決して切り離せない関係にあるといっても過言ではないでしょう。近年、リラクゼーションや美容をキーワードに、一般的に広く知られるようになったエッセンシャルオイル(精油)や芳香蒸留水もまた、暮らしと共にあり続けた香りのカタチのひとつです。
水蒸気を使った蒸留法の発明は、中世イスラームに遡ります。錬金術の隆盛期にアラビアで始まった水蒸気蒸留法は、中世ヨーロッパにわたり、その原理や理論はほとんど形をかえることなく現代に引き継がれています。水蒸気蒸留法が生まれる以前も香気成分は抽出され、薬や香料として活用されていたようですが、水蒸気による精油の製造法が広く伝播して以降、より多くの植物の香気成分が、より広く多くの分野で活用されるようになったといいます。
ブルガリアの宝、ダマスクローズ
芳香原料として使われるローズは大きくわけると、甘く豪奢な香りのロサ・ダマスケナ(ダマスクローズ)と、上品で紅茶にも似た香りのティーローズの2種。前者はヨーロッパ系であるのに対し、後者は中国系。それぞれ主となる芳香成分が異なります。世界一の誉れ高いブルガリアのローズ製品の原料は、ブルガリアンダマスクローズと呼ばれるとおり、もちろんロサ・ダマスケナ。ロサ・ダマスケナは、香り高く華やかであるのに、その姿は原種のバラを親にもつ「オールドローズ」らしく、とても質素で素朴です。また改良種のバラとは違い、年にたった一度、初夏にしか開花しません。
ローズウォーターの故郷~バラの谷~
ブルガリアに持ち込まれた野生種のバラは、生育に適した土地と気候、また人々の努力や品種改良によって、世界でも最高水準の香料になりました。世界で流通する70~80%を占めるといわれるブルガリア産ローズオイルは、その品質も随一です。
ダマスクローズの栽培が最も盛んな場所は、ブルガリアの中部、首都ソフィアの東200キロに位置する渓谷地。中央バルカン山脈の南に横たわり、西のストリャマ川と東のトゥンジャ川の両渓谷を繋ぐ140~150キロ、面積にしておよそ780㎢を占める「バラの谷」と呼ばれる地域です。渓谷の東端に位置するカザンラクを中心とした「バラの谷」では、16世紀にオスマン・トルコ帝国によりダマスクローズが持ち込まれて以来、バラの栽培が続いているそうで、1600年代には既に、良質なローズオイルの産地としてカザンラクの名前が知られていたと云いますから驚きです。年間をとおして温暖で適度な雨に恵まれたこの場所は、太陽を好み、適度に水はけがよく、適度な水分を必要とするバラの生育に理想的な条件が整っているのかもしれません。ダマスクローズが花開き始める初夏には、「バラの谷」一面がバラのじゅうたんを敷き詰めたように色が変り、甘く香しい香気に染まった風が吹くのだそうです。
年に一度だけ花をつけるダマスクローズは、初夏に開花を始めます。例年5月頃から6月頃までのわずかひと月ほどの期間が開花の季節にあたりますが、これはまたローズ栽培に従事する人々にとって最も忙しく、けれど一番心待ちにしている季節でもあります。ローズは、まだ朝もやの残る早朝4時頃から日が昇るまでの、花がまだ開かない時間帯に収穫されます。一年間をとおして丹精込めて育てたバラは、一輪一輪手で摘み取られます。もっとも香しい時期は限られますから、花の摘み取りは、家族総出で、また沢山の季節労働者の手をかりて短期間に集中します。また摘み取った瞬間からじわじわと逃げ出す香りの成分を、少しでも早く凝縮するため、蒸留所に運ばれたバラはその場で蒸留されるのだそうです。より新鮮な状態で蒸留された花弁が、より香りの高いオイルに変わるのだといいますから、まさに時間との勝負です。
ブルガリアダマスクローズ~名前が示す品質~
ブルガリアではバラの花の栽培から、ローズオイルやローズウォーターの製造にいたるまで、国家が定めた法とその執行機関によって、厳格にそして厳粛に管理されてきました。ブルガリアのローズ製造に対する信頼の高さは、国家規模の取り組みによって裏付けられてきたといっても過言ではないでしょう。首都ソフィアにある「ブルガリア国立バラ研究所」は、1927年に法が定められた同時期に設立されて以来、第二次世界大戦、政治的・社会的な体制の変化を越え、現在にいたるまでブルガリアのローズ製品の品質を守る砦としての役割を果たしています。なかでもブルガリアで生まれるすべてのローズオイルは、国立バラ研究所での品質検査が義務付けられており、分析の後、品質を満たしたものだけが密封され、品質の保証である国の刻印がなされます。また社会主義時代には、政府機関である国立科学アカデミー内の専門機関とともに、バラの芳香に関する化学的・薬理学的に研究し、様々な角度からの貴重な研究データを蓄えています。長く国家の専売事業として管理されてきたローズ製品(ローズオイル・ローズウォーター)事業も、1989年の民主化によって民営化・自由化されましたが、一元化された品質管理体制は不可欠と考え、従来同様、国立バラ研究所が、世界最高品質と云われるブルガリアダマスクローズ製品の品質を管理・維持する責任を負っています。
「ダマスクローズウォーター」の自己紹介!
名称 | ダマスクローズウォーター Damask rose water |
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学名 | Rosa × damascena |
科名 | バラ科 |
抽出部位 | 花弁 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
フェニルエチルアルコール 40%以上 | |
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テルペンアルコール | |
シトロネロール | |
ゲラニオール | |
ネロール | |
リナロール、メチルオイゲノール、ファルネソール、ゲラニアール、ネラール など |
※State Laboratory Burgarska Rose Ltd
「ローズウォーター」も、実はひとくくりにできるものではありません。
同じ原料を使い、一度の水蒸気蒸留で得られるエッセンシャルオイルとエッセンシャルウォーターですが、含まれる成分はそれぞれ異なる場合も少なくはありません。油性と水溶性の成分が混ざり合って「芳香成分」となるのですから、油性であるエッセンシャルオイルと水性であるエッセンシャルウォーターには、それぞれより溶け出しやすい成分がより多く含まれています。ローズの場合、オイルには「バラの香り」の骨格ともいえる芳香成分、シトロネロール、ゲラニオール、ネロールの3種のテルペンアルコールを主に含んでいるのに対して、エッセンシャルウォーターにはフェネチルアルコールが主に含まれています。エッセンシャルウォーターにも、もちろんオイルと同様の芳香成分(テルペンアルコール)を含んでいますが、含有量の違いによって驚くほど香りの印象がかわります。フェネチルアルコールを多くふくむローズウォーターは、生バラに近い香気特性をもっており、一般的にもオイルに比べ香りは非常に繊細です。
エッセンシャルウォーターとも呼ばれる芳香蒸留水は、エッセンシャルオイルを留出する際の副産物のようにもいわれますが、実はそうとも言えません。宗教的な儀式で使われたり、食用にされたりするエッセンシャルウォーターは、芳香蒸留水のために蒸留をしていますし、バラのように僅か0.02%しか収率のない、つまり1トンの花弁から200g程度しか取れない非常に貴重な精油とともに精製するフローラルウォーターは、また非常に貴重です。
一般的に知られている役割
- フェニルエチルアルコール
- ローズウォーターの香気特性を骨格づける水溶性の成分で、記憶に働きかけます。ローズオイルの分析では、抗菌性と静菌作用を併せ持つ、麻酔・鎮痛物質であると化学的に定義されています。
- シトロネロール(テルペンアルコール)
- ダマスクローズの主要な香気成分。水への溶解度が低いためローズオイルに比べ含有量は低いですが、蚊が嫌う香りだといわれています。昆虫だけでなくある種の菌類を忌避し、気分をリフレッシュさせる爽やかな香りのもとでもあります。
- ゲラニオール(テルペンアルコール)
- ダマスクローズの主要な香気成分。水への溶解度が低いためローズオイルに比べ含有量は低いです。特に蚊が嫌う香りだと言われています。緊張を和らげ心を明るく高揚させる香気成分です。科学的な分析では、収斂作用を持ち、皮膚を柔らかくする効果や弾力を回復させる力を持つ成分と定義されています。
- ネロール(テルペンアルコール)
- ダマスクローズの主要な香気成分。水への溶解度が低いためローズオイルに比べ含有量は低いです。昆虫忌避作用があり、防虫効果や虫よけ効果が期待できます。蚊が嫌う香りだといわれています。また、抗菌作用にも優れています。鎮静作用もあり、リフレッシュ効果が期待できます。
- リナロール
- 特に鎮静作用に優れており、心を落ち着かせたいときなどに活用されますが、集中したいときには向きません。また、血圧降下作用があるので、低血圧の方は注意が必要です。
「3倍」?これこそ!ダマスクローズウォーター
ダマスクローズウォーターの原料は、バラの花弁と水。
これ以上ないほど簡素です。
たった二つしか原材料がないのに、「ブルガリアン・ダマスクローズウォーター」に違いがあるから不思議です。
プレマシャンティのダマスクローズウォーターは、よくあるダマスクローズウォーターと比較すると、バラの香気をより強く感じます。ブルガリアンと銘をうったものは、全て研究所で品質認証をうけているはずなのに、この違いがどこからくるのか、本当に不思議です。
ただ一つ、思い当たるのは作り手の違い。
2つの原料しかないからこそ、バラの栽培から蒸留にいたるまで、ダマスクローズを扱う作り手の姿勢や作り方が作品そのものを決めているのだろうなと、改めて納得したのがこのダマスクローズウォーターです。
秘密は3つ、シンプルだからこそ
「ローズの香り嫌い」な私が、
手放せないダマスクローズウォーターには、
秘密が3つあります。
一つ目は、バラの栽培。
原料となるダマスクローズは、蒸留所の直営農園で栽培されています。バラの花の摘み取りは、5月中旬から6月がピークですが、香気豊かなダマスクローズを支えるのは、農園の土でありバラの樹です。バラを支える土は牛の堆肥を使って養い、除草や除虫も原則薬剤は使わず、すべてひとの手で行っています。また余分な草のつみとりも、ひとの手です。バラの花の摘み取り時期を除いた7~10月と1~4月の間、休むことなく草と虫の駆除に農園を巡っています。バラの谷の気候と豊かな水、一年間をとおし時間と手間を惜しまず慈しみ育てられたバラによって、ローズウォーターが出来上がります。
二つ目は、蒸留所。
プレマシャンティのダマスクローズウォーターは、バラの谷にある無農薬有機認定工場で蒸留しています。この蒸留所は、100年以上の「ブルガリアンダマスクローズ」製品づくりの歴史のなかでも、最初に設立されたバラ蒸留所のひとつで、原料となるダマスクローズの栽培から、摘み取り、蒸留、製品化までを一貫して管理しています。ブルガリアでは通常、ダマスクローズの品質を安定させるために、国立バラ研究所に品質認定のために持ち込まれた製品を分析した後、香気成分のバラツキが無いよう他社製品とブレンドされ、品質保証の認定がなされます。プレマシャンティのダマスクローズウォーターを製造する蒸留所(工場)は、創り出す品質の高さから、他社工場の製品とブレンドされることなく、単独で品質保証認定をうけています。
三つ目は、バラの花弁の量。
通常ローズウォーターは水1に対してバラの花弁0.3の比率で蒸留しますが、プレマシャンティのローズウォーターは、水1に対してバラの花弁1の比率で蒸留します。つまり100mlのローズウォーターには、蒸留時に、最低でも100gのバラの花弁が使用されている計算です。従って蒸留によって、バラの香気成分がより多く含まれます。実際に計測すると、プレマシャンティローズウォーターに含まれる香気成分は、0.080~0.120%(収穫年・時期によって変動)。一般的なローズウォーターは0.025~0.040%と云われますから、2~3倍の香気成分を含んでいます。
使ってみました、ダマスクローズウォーター
ローズの精油で調べると、バラの香りが苦手な人には、それなりの理由があるようで。。。
自分の今に十分満足していなかったり、恋心を抱く余裕がなかったり、常にストレスにさらされていたりと、まあどうなの?と云いたくなる理由がつらつらと書かれておりました。
曰く、「今が幸せで、心がゆったりしていて、心から愛されていると実感」しているようなら、バラの香りは心地よく感じる(!)。
心地よく感じない私は・・・ええい、余計なお世話だ。
確かに「バラの香りがするもの」は苦手ですが、バラそのものが嫌いなわけはなく、お生花のバラは大歓迎!という場合は、何が違うのか?ともうずーっと疑問でした。 花の女王と呼ばれるだけあって、存在感も華やかさも随一で、バラが一輪いけてあるだけで部屋がぐんと華やぎますし、花束で頂けるなら、それだけで恋に落ちるぞと思うくらい。問題の香りも、苦になりません。特に初夏に咲く生花のバラは、ほのかに新緑の香りも混ざって、スーッとした爽やかな香気に気持ちがすっきりします。
要はバラの香りを模したものや、凝縮したものが合わないのだと結論づけた私。
サンプルをくださった方を目の前に「好きじゃないのよ」、「なるべく離れたところでスプレーして!」と失礼なお願いをし・・・。
ふわっと広がる香りに、「これ、欲しいね!」。
香りをかいだ瞬間、180度意見が変わり、スプレーを奪い取るや否や手の甲にスプレーし、さらに腕にと広げた次第。
「Never say Never」と言われ続けた私、今回も「嫌い、絶対に嫌」の発言にこれ以上ない後悔でした。
肌につけると、ごくごくと飲み干すような感覚と共に、豪奢な香りがふわっと肌を包みます。
それなのに嫌だと感じないのは、ベースに残る爽やかさが一因でしょうか。
ローズの香気成分が2~3倍含まれているときくと、「ローズの香りが苦手」な私には、それだけで手が伸びなくなるのですが、実際につかうと、甘いのに、甘ったるくなく。濃いのに、どこか透明感を感じる香りに、ローションパックにしてみようと変な勇気を掻き立てられます。ローションパックにすると、これがまた優しいのです。しっとりした感覚、じんわりと奥に馴染んでいく感覚。肌表面だけでなく、内側からもほぐされていくような・・・。不思議な体感は、香りだけにとどまらず、パックの後のぷりぷり感としっとり感にまたビックリ。
アルコールや防腐剤など一切はいっていないので、肌に不要な刺激を感じないのは更に嬉しい!
毎回のお手入れがとても楽しみになります。
マルラオイルの香りとも好相性。
ダマスクローズとマルラオイルの二乗の潤しに、
お肌も喜びます。
プレマシャンティ開拓チーム 横山奈保
※使用者個人の体感です。効果・効能を示すものではありません。