ヘナのあれこれ うんちく集

ヘナに関するうんちくをならべてみました。

HENNAの初め

1985年へアマニキュアが発売されるや人気が上がり、各社から新製品が続々と出たあの頃といえば時代の雰囲気が分かるでしょうか。ワンレングスのサラサラストレートロングが大流行して、多くの女性たちの関心が、髪のつや、手触りに集中していた頃。色に興味があっても「髪が傷む」リスクは絶対容容認できない!という風潮でした。だから「髪の内部に浸透せず、コーティングするだけ。手触りとほんのかすかな色味」というへアマニキュアに人気が集まったのでした。

へナは“へアマニキュアと呼べるものの、元祖ではないか”として“天然のヘアマニキュア”といわれ大反響を呼びました。

トリートメント&カラーの相乗効果があるうえ、純植物性の安全なイメージで、当時のヘルシー志向とぴったり一致したからでした。欧米では広く浸透していて、スーパーマーケットやドラッグストアーでも手軽に買えるため、海外で経験してきた人、海外で手に入れてくる人も増えて、詳細はよく分からないながら“いいモノらしい”というブームだけが先行した時期とも言えます。

HENNA・実験期各種の実験が展開されたのが86年。欧米ではよくても日本入の髪にはどうか、とためらっていた人にもアピールし、手に入れやすくなって、一定の広がりを見せ始めました。

HENNAにコーヒー、紅茶、たまごや昆布エキスを混ぜたり、ドライヤー加温、スチーマー加温の比較、パーマ液とのミックス、トリートメント剤とのミックス、ヘアマニキュアや酸性カラ一とのミックスetc..。それまで日本人の髪になじみのなかったものだけに、「よさそうなモノ」とのブレンドがさかんに行われるとともに“幻のHENNA”の本当の姿がわかりかけてきました。

その後のHENNA天然ものの純植物性だから・・・ということで評価されたはずなのに、同じ理由でブームの熱はわりとすぐに冷めていきます。「色調の計算ができない」「髪質によって色の出方にばらつきがある」「産地、精製方、純度、鮮度によってばらつきがある」「時間がかかる」「黒髪にははっきりした効果 が認められない」「色のバリエーションがない」等々、どの意見もHENNAの特質そのもの。天然素材には当然のことです。

でも、80年代末には、トリートメント剤、コート剤、カラー剤が豊富に出そろい、そちらを選択する人が増加。80年代半ばまでは、かすかな色味を求めた消費者も“色”への抵抗がなくなって、バリエーションを求め始めた、という背景もあります。

ヘアスタイルは軽く、明るくとエスカレート。カラーもデザインの時代になり、技術も多様化、計算しやすい製品が必要とされたのです。

HENNA・再ブーム

ヘアーカラーのデザインや技術が広がって、消費者への定着、浸透が進んだからこそ、もっと目新しいもの、もっと別のアイデアが探され始めます。

髪の質感への要求度もますますシビアになります。コーティング系のカラーやトリートメントも初めは万能のように思えたのに、回を重ねるうちに繰り返しによるマイナス面も実感され始めましだ艶や手触りが人工的なサラサラ感が天然のものか、という違いについても感受性が育ってきています。

“見た目”の質感だけに飽き足らず、ホンモノを求め始める人が増えてきています。カラーに対してもっと違うアプローチはないか、と感じていた人達を触発したのでしょう。HENNAについての明確な“定説”は、以上の経緯からまだありません。

どのくらいの美容室が採用しているかのデータもありません。ですから、いくらかづつ違う発想でHENNAを理解している、という現場状況を反映しています。そしてそのことは90年代っぽい(価値観の多様化、自分らしさへのこだわり、見かけではないへルシー志向)のではないかと思います。完璧なマニュアルがないからこそ、自分で試して実感して積み重ねていくHENNA本当の意味での理解へのむしろ出発のときが、今ではないでしょうか。

HENNAって、そもそも何ですか?
どんな色ですか?名前の由来も情報源

HENNAは日本では「ヘナ」あるいは「ヘンナ」と呼ばれています。美容の世界では「ヘナ」が一般的ですが、百科事典、園芸辞典、文化史の資科などでは「ヘンナ」表記がほとんど。英語ではHENNA、ドイツ語でLAWSONIE、フランス語でもLAWSONIE、英国人J・LAWSON氏がこの木の属名の命名者であるところをみると、初めに英国に渡り、LAWSONIA・INERMIS・Lとなり、INERMISとは「刺のない」という意味。

和名では指甲花(シコウカ)またはツマクレナイノキ。指甲花の由来は「エジプトに発し、漢代に中国に渡り、婦人が指の爪や皮膚を染めるのに用いたことによる」と園芸辞典にあります。ツマクレナイノキの命名の由来は調べきれなかったのですが、「妻」「紅」とすると、これも女性の爪や膚を染めることをネーミングにこめた、と考えてよさそう。

実は、日本にもず一っとむかし、渡米して使われていたのかもしれない、と思わせられる名前です美容情報としては些細なことのようですが、人体への染色の歴史の長さを知る手がかりにはなりますね。

ユダヤ地方で古くから栽培されていたらしく「旧約聖書」の雅歌1章14節と4章14節にもうたわれていて、まさに神代の昔からの植物。

お役立ちの植物

原産地は北アフリカから西南アジア(インド、中国南部)。熱帯各地にもともとは自生しており、その後、広く栽培されるようになったとのこと。日本では温室で観賞用に栽培されるにとどまっています。

ミツハギ科の低木で高さは3〜6メートル。葉は対生し、卵形または卵状楕円形で先はとがっていてすべて緑色。長さ2センチ、幅1センチ表裏とも無毛。この葉を粉末にしたのがHENNA染料、というわけです。

葉に含まれたLAWSON(C10H603)が発色のもと。花は径7ミリで4枚の花弁、白あるいは淡紅色、淡緑色。多くの花を頂生し、円錐花序に着けるとあるから、小花ぎっしりでかわいい様子のようです。この花は強い芳香が特徴で、古くから香科、揮発油として使われています。果実は円形でエンドウ豆くらい。多数の種子を含み、種子からは脂肪油がとれるのだそうで、ずいぶん役に立つ木のイメージがわきますね!

熱帯地方では生垣に使われ、陽よけ、風除けにもなっているのだそう。

歴史・文化

HENNAの粉末が染科、または顔科として使われた記録は、さまざまな文献から拾うことができます。クレオパトラが爪を染めていた話は有名ですし、爪を染めたミイラも発見されています。インドやネパール、エジブトでは結婚式やお祭りなど、めでたい行事のときに、HENNAで手足にきれいな模様を染めつける習慣が現在も残っています。インドの女性が眉の間に模様を描いているのを見だことがありませんか。あれもHENNAです。

神聖さ、呪術性、魔除けのような使われ方をしだ時代もあったようで、その名残りと思われる使い方です。ヒンズー教の世界において、富と吉祥の女神、ラクシュミーが好んだことで、インドで伝承されています。

原産地でのさまざまな利用法が、染色の部分だけヨーロッパに伝わったのがHENNAの普及につながります。1800年代まで、サフランやハナミズキで髪やひげを染めていたので、草木の抽出物で染めること自体は、昔からやり慣れた手法。20世紀に入って、髪の染科の製造は化学の手に移るものの、初めは使用法の末熟さも手伝って事故が多く、また安全な植物へと関心が移っていった経緯があるようです。

欧米でのHENNA

1962年、ニューョーク市の衛生条例で染髪剤の使用が禁止されたりもしています。(それでも髪を染めたい人は多く、この条例はあまり効果がなかったのだそう。)アメリカでのHENNA初登場がこの時代。日本の大正末から昭和初めあたり。安全面でも技術面でも発色の点でも問題の少ない、使いやすいヘアカラー剤が出るのは、欧米でも第二次世界大戦後、1920年代から40年代末まで。HENNAを利用したことが、欧米での浸透につながったのではないでしょうか。

ちなみに日本では、黒以外に髪を染める流行も習慣もその頃まだありませんでした。

抹茶に似ています

日本に輸入されているのはインド産の粉末が主。産地の土壌、気候や天候によっても、また、精製方や精製のメッシュの大きさ、鮮度によって、品質に違いが出ます。データを取ったわけではありませんが、エジプト産は乾燥が強すぎ(気候風土のせい?)て、インド、パキスタン系の方が日本人の髪質にあうようだ、というもいう方が多いようです。

抹茶のような形状で、匂いも抹茶によく似ています。鮮度や産地でその品質に特徴が出るところも抹茶に似ています。同じ産地の物でも、来年の品質が同じとは限らないのがHENNAです。