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今日は、ナチュラピュリファイ研究所の藤田真規社長に、ナチュラピュリファイ製品について、また、そこに込められた想いについて、その深いところをお話しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 |
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よろしくお願いします。 |
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早速ですが、藤田さんが現在の会社を設立、運営するに至るまでの経緯を、幼少の頃から振り返って、教えていただければと思います。 |
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私は幼少期、ひどいアトピー性皮膚炎でずっと苦しんでいました。私には姉と妹がいるのですが、三人姉妹の中で私だけがひどい肌のトラブルを抱えていて、生まれたときから顔中に湿疹が出ている状態でした。
私の家は決して裕福ではありませんでしたが、母はアトピーの名医がいると聞くたびに、それこそ日本各地に手を引いて連れて行ってくれました。しかし行く先々で処方されるのは、当時アトピー治療の主流だったステロイドでした。しかも症状を抑えるためにどんどん薬が強くなっていきまして、小学校に入る頃には、塗り薬と内服薬との両方を使っている状態でした。 |
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今の藤田さんからはまったく想像できませんが、何かその状態を変えるきっかけがあったのでしょうか。 |
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あるとき母が、「このままだとステロイド漬けの人生になっていくのではないだろうか」とものすごく心配してくれまして、ほんの2・3日、ステロイドを止めてみたことがあったのです。すると、それまで溜まっていたものが一気に出てきたのか、経験したことのないほどひどい状態になってしまって、とにかく体中がかゆくてたまらず、耳切れといって、耳の後ろが切れてしまったり、肌だけではなく眼の中までかゆくなったりしました。
かゆいからといって掻いてしまうと後で後悔するのですが、我慢できずにどうしても掻いてしまうのです。日を追うごとに肌はどんどんどす黒くなっていき、とうとうアトピー独特の象のような肌になってしまいました。完全にステロイドの後遺症です。
しかもお医者さんには、「こうなってしまうと、なかなか治らない」といわれ、その一言がものすごくショックでした。確か小学校の低学年から中学年にかけての頃だったと思います。 |
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そこからまたステロイドに戻ることはなかったのですか。 |
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「もう一生治らない」と思っていたときに、「治るかどうかわからないけれど、栃木県の足利に、薬を使わないで診察をしてくれる自然療法の先生がいるから、行ってみたらどう」と教えてくれた方がいまして、わらにもすがる思いでその先生のもとを訪れたのです。この幼少期のアトピーがきっかけで、私の人生は本当に180度変わることになったと思います。 |
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弊社のお客さまの中には、ご自身やご家族がアトピーで悩んでおられる方も多くいらっしゃいます。その方たちのためにもお訊きしておきたいのですが、藤田さんもそれまでは、ステロイドを塗ったり飲んだりして、普通にたくさん使っていたわけですよね。 |
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はい。そうです。 |
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その自然療法の先生との出会いから、どのような変化があったのでしょうか。 |
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その先生に初めてお会いしたときに、母は「この娘のここまでひどいアトピーも治るのですか」と尋ねました。その先生は一言、「お母さんが自然に還れば、絶対にアトピーは治ります」とおっしゃってくださったのです。
それまでどのお医者さんにも「治らない」といわれていた私にとって、その先生の「治る!」という一言は、幼いながらにすごくうれしい言葉でした。細かい言葉はほとんど覚えていないのですが、そのうれしかった気持ちだけは今でもよく覚えています。
そのとき先生が母にプレゼントしてくれた本がありまして、それが、東城百合子先生の著書、『家庭で出来る自然療法』でした。先生は、「お母さん、食べ物というのはすごく大切なのですよ。お母さんがまず自然に還りなさい」とおっしゃって、母にその本を贈ったそうです。
お恥ずかしい話、私の母はそれまで、自然についての知識が一切ない人でした。私が幼稚園の頃は、ファーストフード店やファミリーレストランによく連れて行かれたりしたぐらいです。とにかく自然とはまったく無縁の生活でしたね。 |
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その頃のお母さまと同じように、今も、食べ物の大切さをご存知なく、悩んでいらっしゃる方も多いと思います。 |
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母は、その先生に出会ったことによって、「食べ物というのは、ただお腹を満たすためのものではなく、心と体を作っていく大切なものなのだから、食べる物の質を見なおせば、肌の質も、体の質も変わっていき、体質改善ができるのではないか」と考えるようになりました。そのことで、我が家の生活は180度変わったのです。
具体的にはまず、野菜をスーパーで買うことがなくなりました。庭で畑を耕して、トマトやキュウリ、ナスなど簡単に作れるものを育て、プランターでシソやシシトウも育てました。また近所に農家がありまして、そこでは出荷用の野菜と自家用の野菜を分けて栽培していたので、農薬を使わない自家用の野菜を安価で譲ってもらったりもしました。
他にも味噌などの調味料にいたるまで、すべてが手作りになりました。基本の食事は玄米菜食で、おやつもがらりと変わり、甘くないキャロットケーキや、ヨモギが入った蒸しパンなどが出てくるようになりました。生活用品も完全に変わり、入浴剤やボディローションなどは一切使わなくなりました。 |
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ステロイドは完全に止められたのでしょうか。 |
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はい。ただ、止めてからが本当に長かったです。ステロイドを止めた直後は、先ほどもお話ししましたように、ひどく症状が悪化しましたが、とにかく自然にこだわった生活を続け、さまざまな自然療法も試しました。
たとえば、大根を輪切りにして出てくる汁は、酵素が豊富なので、肌に塗るとかゆみを抑えてくれます。掻きただれた肌は、枇杷の葉を煎じた煮出し汁で消毒したり、ヨモギ、スギナ、ドクダミで入浴剤を作ったりしました。眼は、無農薬の三年番茶で洗いました。
私の家は海の近くにあったので、砂療法も試しました。海開き前のきれいな砂に、首から下をすべて入れて、私は6時間ぐらい入っていたのですが、砂から上がりますと、普通はさらさらと砂が取れるはずなのに、腸と腎臓の所に砂がめり込んでなかなか取れず、カメの子たわしでこすって取ったぐらいです。おそらく、腸と腎臓がすごく弱かったのだと思います。
砂療法の跡というのは、人間の形に不毛状態になって、砂から臭いまでしてくるのです。それだけ砂や泥は吸着力が強く、毒素をかき出してくれるのだということを体感しました。 |
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その状態がどのぐらい続いたのでしょうか。 |
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自然療法を始めて2年ぐらい経ったときに、突然、私のお尻に梅干しぐらいの大きさのおできができたのです。母はやはり自然療法で治そうと、ツワブキの葉を取ってきて、両面を火であぶり薄皮をはいで、おできに貼ってくれました。それを1日3回ぐらい取り替えるのですが、母はその度に、枇杷の葉の煎じ汁でおできを消毒して、ガーゼとタオルを当てて、丁寧に手当をしてくれました。
1週間ぐらいすると、傷口がパカッと開いて、膿がどくどく出はじめたのです。すると母に「学校を休んで膿だしに専念しなさい」といわれまして、本当に学校を2週間ほどお休みしました。母は内心すごく不安だったと思うのですが、「これは膿と一緒に悪いものが出て、体をきれいにしてくれているのだから、絶対治るから」と毎日励ましてくれました。
ようやく膿が出なくなると、血の混じった汁が出てくるようになり、それもなくなると最後におできが硬くなりまして、親指の爪ぐらいの大きさの、ニキビを潰したときのような芯が出てきたのです。私は今年34歳になるのですけれど、20年以上も前のその跡が今でも残っています。
そのおできの芯が出たところから、私の肌は日に日に変わっていきました。まず皮がどんどんむけて落ちるようになり、母が掃除機を日に何回もかけてくれました。一皮むけるという言葉がありますけれど、まさに文字通りの状態です。その状態がしばらく続いた後、中学校に入る頃には、白い本当に普通の肌が出てきました。
そこまで変わることができたということで、本当に自然の力には感謝していまして、そこが私の原点だというふうに思っています。 |
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本当に、アトピーだったとは思えないきれいな肌をされていますよね。
アトピーで悩まれている方の中には、脱ステロイドしたい、化学物質ではない形で治したいと望まれている方も多いはずです。けれども、薬を止めた後の激しい反応に耐えられなくなって、またステロイドに戻ってしまうケースもすごく多いと思います。
藤田さんが自然療法を実践されたときも、最初はひどく状態が悪化したとのことですが、その間どのような気持ちで過ごされたのでしょうか。 |
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当時、私の肌は本当にひどい状態だったので、道を歩くたびに視線を感じ、ときに心ない言葉をかけられ、それが嫌でしょうがなかったのです。そんな状況でも母は、「絶対に私を信じなさい」、「これで絶対良くならないわけがないから。あなたは自然の一部であって、人間というのは自然なのよ、自然の方法に戻れば確実によくなるから」と毎日励ましてくれました。
リフレクソロジーにも助けられました。足裏を揉むことによって血行や代謝がよくなり、老廃物を流してくれるのです。寝る前の30分間、母は毎晩私の足を揉んでくれて、そのときも、「あなたが今アトピーになっていることは、絶対、将来の役に立つから。それがどれだけつらいか、経験した人にしかわからないから。その経験の分、他の人よりも絶対良い大人になるから」と励ましてくれました。
ただ当時まだ子どもだった私は、「こんな体に産んでおいて、なに都合の良いこといっているんだ!」と、すごく反抗していました。「自分が三人の中で私だけアトピーに産んだんじゃないか!」なんてよく言い返したりもしていました。
大人になった今は、本当に母には感謝しています。母が「絶対治る、絶対治る、絶対……」と繰り返し励ましてくれたので、私は反抗をしながらも、「治る、治る、治る……」と呪文を掛けられたように、ひたすら母を信じていたというのが当時の心境だったと思います。 |
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お母さまは、それまでの生活を180度変え、どうしてそこまで貫くことができたのでしょうか。それだけ絶対の確信を持たれた、なにか特別な出来事があったのでしょうか。 |
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大人になってから母によくいわれるのですが、母は私が生まれるまでは、自然というものの価値を顧みたことがなかったそうです。人間が自然をきれいだと感じたり、自然の中でリラックスしたりすることと、人間が自然なのだということが繋がっているとは、考えたことがなかったというのです。
けれども自然療法の先生や東城先生の本と出会って、「人間は自然の一部なのだ、自然なのだ」という気づきを得た母は、ステロイドなどの薬で症状を抑えるのは根本的な治療ではなく、生き方そのものから変えていかないと病気は治らない、ということを心から理解し、「この方法で治らないわけがない」と信じることができたそうです。 |
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そのことを理解してなお、戦い半ばで諦めてしまう方は少なくありません。貫徹できる方は、当人も親御さんも、非常につらい時期を経験されますよね。
親子関係でこの言葉が適切かは分かりませんが、藤田さんのお母さまのようなリーダーシップ、これだと決めたらガンとして動かない姿勢が効を奏したのでしょうか。 |
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きっとそうだと思います。もし母がおろおろしたり迷ったりしたら、私もすごく不安になったと思います。けれども母は、むしろひどい状態のときほど一貫して、「絶対に治るから信じなさい。これは良くなっていく徴候よ。大丈夫よ」と導いてくれました。その姿勢は、とてもありがたく頼もしかったと思います。 |
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このお話は多くの方にとってものすごく参考になると思います。
弊社のお客さまで、アトピーなど肌のトラブルを抱えておられる方からは、治療を何年も頑張っているのだけれども、なかなか良くならないというお話を聞くことがあります。そのような方の場合、治療に寄り添っておられるご両親が一喜一憂されていることがほとんどなのです。
もし藤田さんのお母さまに不安や迷いがあり、それを言葉に出さなくても、表情や態度に出していたら、おそらく藤田さんは一緒に戦えなかったのではないかと思います。ですから、ご家族やご自身がアトピーで悩まれているという方は、ぜひ強いリーダーシップをもって向き合っていただきたいと思います。
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