秋場農園・折笠農場「無肥料栽培豆」レポート

秋場農園・折笠農場から栽培の様子をお知らせいただきました!

秋場農園・折笠農場から栽培の様子をお知らせいただきました!

(平成20年度のレポートです)

銀手亡(ぎんてぼう) 黒千石(黒大豆)

北海道北見の秋場さん一家、訓子府町の伊藤さん一家は
農薬不使用・無投入による無肥料自然栽培を通じて
私たち人類が積み上げ続けている過ちに警鐘をならし、
本当の意味での自然と人類の共存の必要性を訴えています。






秋場農園



秋場農園

秋場和弥氏の自宅

(平成20年9月15日のレポートです)

北海道北見市にある秋場農園 無肥料自然栽培56年目になります。
無肥料自然栽培2代目秋場和弥氏の自宅です。車は15万キロ走った2万円の中古自動車を駆使しています。
現在ご夫婦と祖母様と暮らし、研修生一家が別棟に住んでいます。

労働力はこの2家族+アルバイトの70歳を超えるおばさまたちに支えられています。

「ぎんてぼう」。全体的な作柄は、畑によってくっきり分かれました。
年々栽培方法に工夫が加えられますが、その中でも輪作体系のなか不出来の推測がたっても作付けせざるをえない部分もあります。
よい土地では豊作、その他では5月の低温の影響が残り一部まき直しという事態にもなりました。
秋場農園の「ぎんてぼう」は今年も貴重になりそうです。

「ぎんてぼう」

秋場和弥氏

こちらは祝黒(黒豆)。
本年は、乾燥の問題で作付を断念する予定でしたが、種を継続することに意味があるという結論に達し、最終的に6反程作付しました。
こちらは低温発芽不良でまき直しをして、お盆までは「サヤが毛虫みたいで心配だった」という秋場さん。その後は好天にも恵まれて現在は豊作基調です!
黒豆は自家採種を続けるにつれて水に強いことがわかってきました。無肥料栽培に限らず栽培の基本の一つに水はけにありますが、すべて水はけがよい土地とは限りません。その中でこの黒豆は土壌改良的効果も含めて一石二鳥の役割を果たしてくれます。

こちらは大豆(全4町歩)の畑。左奥の民家は秋場氏の自宅。
写真の通りこちらは除草もうまくいき、収穫量は確保できそうです。
10月に入ると早霜の心配が出てきますので10月に入ると刈倒しがはじまります。刈倒した豆は小さくまとめて乾燥し、ある程度乾燥が進むと、大きな束にし(「におう積み」といいます)天日のしばれ乾燥をします。10月、11月に雨が続くと乾燥不十分で脱穀できず降雪の時期を迎えて収穫皆無というリスクもまだあります。
昨年は雪予報の前日に夜の1時までかかり車のライトを頼りに脱穀をしましたが、途中で間に合わず汚豆&乾燥不十分という豆がでてしまいました。
(こちらは出荷しておりません)

 
豆類以外にも、大根、南瓜、ニンジン、トウモロコシなどを無肥料自然栽培しています。
大根の面積はそれほど大きくはないとはいえ、畝一列で500m以上あります。大根、人参は豊作です!
草が見事にありませんが、草取りには一か所およそ8~10回以上入ります。ポイントは見えないうちに除草することです。

収穫したにんじんは奥様が中心となり選別調整箱詰め作業を行います。
この時期は夜中まで作業をし、朝は日の出とともに起きる。その様な生活があと、ひと月続きます。
結婚するときに「農薬を使ったら離婚します」という条件だったということで、その信念とご主人を想う志は今でも世界一でしょう。
秋場農園は奥様の陰のご活躍あってこそです。
トラックに乗っているのは畑から収穫してきたばかりの人参です。


脱穀機

除草機
におう積みで乾燥が済んだものからこの脱穀械にかけ、「素俵(すびょう)」の状態にします。
秋場農園にあるトラクターなどの機械はほとんどが中古品。
700万円のトラクターも70万円で購入し整備し活用しています。

数年前まで膨大な借金に頭を悩ませる現実があった秋場農園。
過去秋場さんの子どもたちは金銭的理由から高校中退し、農作業に勤しみました。言葉では表せないつらい日々が続きましたが現在は、多くの方のご支援を賜り、おかげさまで大きな借金は終え、夫婦二人で倹約をしながら今までの皆様のご恩返しができるように、よりいっそう安心な作物をお届けし、後世のために、畑作北限地帯での大規模無肥料栽培の確立へとまた、少しでも苦労をかけてきた子供達の為になればと使命感をもって勤しんでいます。

緑肥畑です。一面クローバーが花を咲かせています。
緑肥は肥料分として畑に施すために作るのではなく、土壌の硝酸態窒素を抜き、土壌物理性を改善し適度な有機物の還元をもたらせます。

緑肥畑

大豆畑の畑の断面です。同じ畑ですが手前側と奥側で生育がはっきり違います。
その違いを検証するために土を掘ってみました。
掘ると一目瞭然。数センチ下の土質がまるっきり違います。また真土の深さも違います。
過去に川であった可能性があることなどがわかり、その分、水はけと地温の違いも出てきました。
硬盤層はほとんど見当たりませんでしたので(無肥料56年目の畑です)、今後は緑肥や、栽培作物、サブロイラー等の深度などを調節しながら畑としての完成度を高めていく努力をしていく目安が立ちました。

▼買い物かご



無肥料 折笠農場


(平成20年9月16日のレポートです)

極力農薬を使わない栽培を父親が昭和40年代にはじめ無肥料栽培は今年で5年目。
全体の面積は70町歩のなか、17町歩を無肥料自然栽培。
左は小豆畑。7月にアブラ虫が大発生し茎が真っ黒に。
今年は収穫皆無とあきらめかけた時に100mmの雨が降りその後、畑に行ってみるとあれだけいたアブラムシが一匹残らずいなくなっていました。
作物の浄化でしょうか…?その時の生育の遅れの影響はあるものの、その割には順調です。
右の写真は一枚12町歩の畑です。

折笠秀勝さん


前作ソバ畑

豆すけとえん麦の混植
この畑は上記の畑と比べ生育がいま一つ。畝間がよく見えます。
指が移っている右側と左側で大きくはっきりと生育の違いが見えます。左側は前作ソバ。右側は豆すけとえん麦の混植です。
さっそく穴を掘ってみましたが、機械のタイヤが入った場所だと気がつかずに対象にならなかったのですが、機械が入り、しまった土は、堅く冷たくなっていました。
同時期の関東の土壌と比べおよそ10度も土中温度が低いのは、年一作の北海道の特徴ですね。

折笠農場のお父様が「幼少期に肥料をやらずに大きな豆を作っていた。」という記憶をもとに種を探し出し、作付をしています。
丈が2mにもなったとか。この豆はまだそこまでの生育は見せませんが、丈は他の豆に比べ大きく育っています。その割にとってもかわいいサヤがついています。
昨年は病気で収穫微量だった黒千石、今年は少し期待できそうです。

↓無肥料栽培収穫直前のジャガイモ畑。

黒千石


カルチ(除草機械)
折笠農場の特徴は何といってもその規模です。
昭和40年代に十勝でビートの高い収穫量を数年続けてきて、土地がどんどん悪くなるのが目に見えてわかった。この様な大地を子供に残すわけにはいかないという思いから、有機栽培に。
当時は売り先がほとんどなく、自分で開拓。主に関西方面へ。
その後、地元の農家で賛同者が増え、その農産物も流通しなくてはならなくなりました。そして一時は地元の農協以上のジャガイモ出荷量があったとか。
現在もその流れは変わらず多くの方の地元農産物の販売も手掛けています。

大規模農家の折笠さんはその機械も段違いです。
左は小型の機械ですがカルチ(除草機械)です。
針金になっているような所で畝間、株間をなで、土を浮かすことで草の根を持ち上げ枯らします。
除草のタイミングは、草がみえる前。

【左】真空播種機。
豆を蒔く為に新調しました。小さな種でも一粒ずつ確実に種をまくことができます。
広大な面積ですので、効率のよい播種機をはじめ機械がなければ、時期を逸してしまい栽培に影響がでます。
今秋はアブラナの種を蒔き、自分で使う油は自分で賄えるように実験中です。いわゆる「トータル自給」に向けて環境負荷低減も考えて栽培を行います。

【右】サブソイラーなど。
硬盤を砕きロータリーの下部で固めないように工夫されたもの。この部分が土に入ることで土全体が持ち上がります。

真空播種機

サブソイラーなど


リンゴ栽培
折笠さんが無肥料栽培をは始めたきっかけになったのは青森県でリンゴ栽培をしている木村秋則さんと出会ってから。リンゴ栽培にもチャレンジ!

奥さんは事務を担当しています。お会いするとご主人と息がピッタリ。まるで以心伝心しているようです。

↓御夫婦を撮っていたらワンちゃんたちが僕たちも!と・・・

折笠ご夫妻