プレマシャンティ®からの贈り物 「能登製塩 ギフトセット」
こだわりのお塩ともなかスープを産地直送でお届けします。
プレマシャンティ®は、繋がりのなかで生まれます。
それは人であったり、自然であったり、商品であったりします。
ご紹介頂いたご縁を辿って各地を旅するうちに、その土地だからこその出会いもあります。
その土地でしか、その時期にしか出会えない味。
皆さんにご紹介したいけれど、生ものであったり、作る量が限られていたりと、私たちがお預かりするには難しい商品も決して少なくありません。
また作り手を身近に感じて初めて、より深い味わいが生まれる商品もあります。
プレマシャンティ®の開拓チームが、各地を巡り、作り手の目を見て、言葉を交わして惚れ込んだ数々を、桜のカードを添えてお届けします。
能登製塩で生まれる塩
能登半島の先端に近い珠洲。
遠くの海底まで透けて見える、コバルトブルーの海に面した海岸沿いに、湯煎で塩づくりに取り組むひとたちがいます。能登製塩の製塩所(工場)の周辺海域は、許可なくひとが立ち入ったり、漁をしたりできない場所でもあり、地形的にも若干突き出ているので、海の透明度が非常に高く保たれています。10メートル以上沖合まで伸びたホースで直接海水をくみ上げて、フィルタにかけた海水を湯煎で濃縮し、湯煎槽をうつしながら、1週間程度かけて塩化ナトリウムを結晶化させています。
この工程で出来上がる塩の結晶は、美しい三角錐。
トレミー結晶塩と呼ばれるピラミッド型です。
塩の結晶は『四角い』と考えておられる方は、少なくありません。実際そのとおりで、流通している食用塩の大半が立方体や凝集晶です。塩の結晶は、海水中のイオンが結合して出来上がるイオン化合物。陽性のナトリウムイオン(Na+)と、陰性の塩化物イオン(Cl-)がつくりだす、塩化ナトリウム(NaCl)が基本です。飽和溶液中の陽ナトリウムイオンと陰塩化物イオンは、お互いにひきあって、交互に順序良く並んで結合すると、美しい正立方体の結晶を形成します。これが塩の基本のかたちといわれます。
ただこの結晶も環境によって形状が変わります。三方向に成長すると正立方体、一方向に成長すると柱状、二方向に成長すると正方形の平面です。また水溶液を攪拌すると結晶の形状が変わりますし、有機物や無機物が結合してもカタチがかわります。また加熱温度でも、結晶の形状は変わります。三角錐の塩は、平面(二方向)に成長しつつ、塩自身の重みで、中心部分が沈みながら結晶化して出来上がります。中央は、空洞です。表面張力で浮遊している膜が、中心をじわじわ重力にひっぱられて沈んでいくイメージです。
能登製塩で生まれる塩は、ピラミッド状。
おなじピラミッドでも、マヤ文明のカスティーヨのように、表面が階段状になった三角錐です。
口に含むと塩辛さのあとを追うように、甘味と渋みなどが混ざり合った「滋味」を感じます。
海水浴で、海水を飲み込んでしまった時のような、複雑な味わいです。
塩の感じ方は、例えばマグネシウムや塩化カリウムなど、塩に含まれるミネラルの量や種類によって変わります。塩化ナトリウムが純粋であればあるほど、塩からさは増します。味わいの違いは、採水地によっても変わります。それは「海水」自体が違うからだとよく云われます。海水の違いと云われるとき、成分の違いを意味するのか、温度の違いを意味するのか、それとも何か別の違いを意味するのか。様々な「違い」が、味わいに深みや幅を与えています。
また結晶のかたちや大きさも、少なからず感じ方に影響を与えます。粒子が小さいと塩辛く感じやすいですし、粒子が大きくても接地面が広ければ、瞬間に強い塩辛さを感じます。また塩の溶けやすさによっても、塩味の感じ方がかわります。一般的には、表面積が大きければその分、溶けやすいとされています。
湿気を帯びやすいかどうかも、塩の溶けやすさと多少なりともかかわりがあります。塩を出したままにしておくと、しっとりしていることがあります。これは空気中の水分が付着して、表面が溶けて起きる現象です。荒塩などはしっとりしやすいけれど、粒子の細かい食卓塩はしっとりしているようには感じません。能登製塩の塩は、湿気を帯びるとしっとりします。面白いのは、条件が揃えば水に戻る点。
能登半島には沢山の製塩所がありますし、珠洲にもまた沢山の製塩所があります。同じ地域でつくる塩であれば、味わいも似ているのではと思われるかもしれませんが、つくる工程の違いによって、味わいは全くかわります。また能登半島の北側と南側でも、採水場所でも、味わいが変わるといいます。けれど数多ある能登の塩のなかでも、塩の優しさという点で、また驚くくらい水に馴染みやすいという点で、能登製塩のお塩はキラ星のように人々の目に留まります。
ギフトセットのご紹介
もなか
和菓子の最中汁粉が持ち歩けるお汁粉なら、能登製塩のもなかは、持ち歩けるスープです。お湯を注ぐと、ぱっと具が広がり、温かなスープができあがり。もち米でできた職人の手焼きもなかの皮は、そのままクルトンに大変身です。真夏の食欲のない時も、温かな食べ物で少しお腹を癒したい時も、ちょっと小腹が空いた時も、もちろん食事のお供にも。ふわっと水に還るお塩の特徴を生かして、畑や海でとれる素材を組み合わせたシンプルだけれど、味わい深いスープができました。
かつて加賀百万石と呼ばれた文化情緒ゆたかな石川で、大切に歴史を一枚一枚積み重ねてきた背景が感じられます。
切干のお吸い物
切干大根、ニンジン、乾しいたけ、わかめをあわせて、塩ベースのお吸い物にしたてました。加賀名物の加賀麩が、目に嬉しい、舌に柔らかく当たるアクセントになります。塩のうまさがわかる一品です。
えびとキャベツ
瀬戸内の干しエビと熊本県産のキャベツをたっぷりいれました。北海道産じゃがいもと石川県産しいたけが旨みのアクセントです。
ほうれん草のスープカレー
玄米から製粉した米粉を使ったカレールーに、九州産ほうれん草と北海道ジャガイモを加えました。
トマトのポタージュ
天日干しした香川県産完熟ミディトマトを粉状にして、甜菜糖、北海道産ジャガイモ、九州産ほうれん草、玉ねぎをあわせたクリーミーなスープです。
えびすかぼちゃのシチュー
北海道産のえびすかぼちゃと米粉でつくったシチューのルーをあわせ、甜菜糖とほうれん草を加えたとろり、まったりとした甘みを感じるまろやかなシチューです。
めかぶ塩
磯の香り豊かなお塩です。わかめの根元にあたるめかぶが入り、コクが加わりました。お椀の隠し味に、お吸い物に、おだし代わりに。
紅塩
紅麹を加えた薄ピンク色のお塩です。手塩にしておにぎりに、サラダなどに振りかけて、大根などの浅漬けに。また、てんぷらのつけ塩にも。
塩ソースゆず
能登製塩の塩と、金沢市内で静置発酵法の酢醸造を続ける今川酢造が一緒につくった塩ソースです。今川酢造は、全国でも数少ない酒仕込みから酢を育てる醸造蔵です。醸造は人柄が出るといいますが、今川さんの酢は、柔軟で懐の広さが特徴のひとつ。合わせる素材を引き立てるでもなく、己が強く主張するでもなく、程よいさじ加減でうまみが引き立てられます。水に還るように溶け込んでいく、能登製塩の酢と醸し出す味わいは、作り手の想像力を引き立てます